2005年 11月 22日
敏子さんに題字を書いてもらった
友人のお父さんの自分史『鰧のつぶやき』。
表紙装丁を見てもらった翌日に亡くなられ、
遺稿集となってしまった本である。
10月16日、著者が再入院されたとの電話を聞いた
敏子さんは、その日、一生懸命題字を書いてくれた。
著者が描かれたオコゼの絵がとてもステキで、
この絵にふさわしい題字は活字では合わないからと
3日ほど前に敏子さんに頼んでいたからである。
敏子さんも、良い本ができることを願って、ちょっと
恥ずかしいといいつつ、題字を引き受けてくれた。
ずいぶん長い間、印刷の仕事をしていた敏子さんだが、
これは80歳にして、表紙装丁の初仕事である。
著者・岡田彰先生は、敏子さんの歌文集
『鯛のめだま』の装丁を気に入ってくださっていた。
だから、よけいに力が入ったのだろう。
ちなみに『鯛のめだま』は吉田カツさんの装丁だ。
吉っちゃん(敏子さんの連れ合い)が亡くなって、味のある
字を書いてくれる人を探していたが、これで安心。
もう「趣味のお習字」というのを止めておきます。おかあさん。