2010年 9月 1日
其の三十九 増えたコアシナガバチ

滋賀県内に生息しているアシナガバチ類は、大きいほうからキアシナガバチ、セグロアシナガバチ、ヤマトアシナガバチ、キボシアシナガバチ、コアシナガバチ、フタモンアシナガバチ、ホソアシナガバチ、ヒメホソアシナガバチの8種です。これらのうちコアシナガバチは、どちらかといえば高原性の種類で、長野県などでは人家周辺に普通ですが、西日本では平地にはほとんど見られません。
これまで、滋賀県内のコアシナガバチの記録は少なくて、とりわけ平地では愛知川河辺林(東近江市五個荘)にすぎないようです。ところが2004年以降の3年間に、野洲市(農地に接した住宅地)、近江八幡市(住宅地および宮ヶ浜湖岸)にて相次いで成虫が採集され、野洲市では巣も確認されました。 コアシナガバチはさらに分布を広め、滋賀県の平地に定着するのでしょうか。もし、高原性のコアシナガバチが本県平地に定着するなら、とても興味深い例となるかもしれません。なぜなら近年の、ナガサキアゲハやツマグロヒョウモンのような、暖地性昆虫の北進とはむしろ逆の現象だからです。今後、さらに注意深く県内での動向を調べたいと思っています。
コアシナガバチの体は全体に濃い褐色で、多くのアシナガバチ類に比べ黄色部がわずかです。最もよく似たキボシアシナガバチとの区別点は、腹部背面やや後寄りに黄色班をもつことなどです。
写真は、2006年5月28日、畑に残るチンゲンサイについた青虫を捕らえ、噛み切った肉片に前脚を添えて飛び立とうとするコアシナガバチの女王です。そう遠くないところにこのハチの巣があるはずですが、見つけることはできませんでした。
滋賀県立八幡高校教諭 (滋賀県生きもの総合調査専門委員) 南 尊演







ヨシ群落は琵琶湖の原風景であり、水辺の環境を守る大切な植物です。ヨシ群落には色々な働きがありますが、その中のひとつに水質保全の働きがあります。水の流れをせき止めて水中の汚濁物質をより早く沈殿させたり、ヨシの水中茎の付着微生物による有機物の分解やヨシ自身の成長による窒素やりんの除去などです。

飛翔力の大きい鳥類では、湛水後すぐにサギ類が飛来しました。湛水後2年を経過した現在、のべ59種が確認され、湖北野鳥センター(2003)が調査した湖北町尾上近傍の琵琶湖岸で出現する種数(139種)の半数近くに上りました。ただ、サギ科では8種のうち7種が確認された一方、ガンカモ科、シギ科、チドリ科、カモメ科、ワシタカ科、ホオジロ科、ヒタキ科の種数は琵琶湖岸に比して著しく少なく、その理由として干拓地には深い水域や発達した湖岸、水辺林等の環境要素が欠けていることが考えられます。
サンライズ出版
