2010年 10月 14日

正明寺は観音正寺・梵釈寺とつながるのかどうか?

『近江の祈りと美』の仕事をしているとき、写真家の寿福さんが「正明寺の千手観音さんは観音正寺の焼けた観音さんによく似ている」と言われた。なるほど写真で見ると本当に似ておられる。時代も同じく室町時代で共に天台宗寺院だったときの作である。観音正寺の観音さんは胎内に作者が書かれていたのだが、正明寺の観音さんは果たしてどうなのか?

先日、大石真人著『近江路の古寺を歩く』(山と渓谷社)を読んでいたら、蒲生町の梵釈寺は正明寺の晦翁禅師が天和年間に開創したお寺だと書かれていた。梵釈寺の御本尊・伝観音像は実は宝冠阿弥陀像であるということは『近江の祈りと美』で高梨さんも解説されており、「ここは重文の正式名称ではなく宝冠阿弥陀像と書いておこう」といわれた、謎めいた仏さまである。もしかしたら正明寺さんにおられた宝冠阿弥陀像が梵釈寺に来られたのでは……などと、勝手な想像をしてしまう。 

とりあえずは、17日からご開帳になる正明寺の観音さんを拝観に行くべし。

 

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