2007年 10月 26日

信楽汽車土瓶

汽車で旅した時代、「旅の友 お茶」は陶器の土瓶であった。
この汽車土瓶の大半が、日本の六古窯のひとつ信楽で作られ、その製法にもとことんこだわり続けていたという。

知的障害児をあずかる信楽学園では、開所当時より、地域の暖かい支援の中で、汽車土瓶の生産を行い、彼らの生産技術習得と自立への道を切り開いていった。

今では、土瓶型のポリエチレン製、あるいはペットボトルのお茶が主流になったが、このたび発行した『信楽焼 汽車土瓶』では信楽汽車土瓶の歴史をたどるとともに、作り手たちにも目を向けている。

編者は、『信楽焼の考古学的研究』を著した畑中英二さん。
仕事上のお仲間の協力で、このほど完成。現在、甲賀市土山歴史民俗資料館では、本書に掲載された汽車土瓶の展示が行われ、27日には畑中さんの記念講演会が開催される。
日本の近代化とともに始まった鉄道の旅は、弁当とともにお茶を販売するという日本独自の駅弁文化を生み出し、その中で多くの汽車土瓶が信楽で作られたことを著書では詳述されている。

引き込まれるように読み進む中、青春時代に、中央線に乗ると必ず塩尻で釜飯を求めたことが思い出されてきた。

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