ヨシが果たす自然の役割
4月に出た新芽が、水中の窒素やリンを吸収しながら、わずか2~3カ月の間に2m近くにまで成長し、12月中旬~3月下旬の刈り取り時期には4m近くにまで伸びる。窒素やリンを吸収したヨシを刈り取ることにより、水中の汚染物質が外へ出る。
これがヨシの浄化作用で、内湖や琵琶湖の富栄養化を防ぐ仕組みになっていた。ヨシの浄化能力については、「ヨシ1本で1tの水を浄化できる」という説もある。
ヨシとアシ、葦葺きと茅葺きの違いについて
ヨシとアシは植物学的には同一で、アシは「悪し」につながることから標準和名はヨシとされているが、琵琶湖水郷付近のヨシ業者間では両者を区別 している。ヨシは茎が中空なのに対し、アシは茎が空洞状ではなく、質・量 的にほとんど利用価値がない。また、「茅葺き」とは、ヨシをはじめススキ、スゲなどの材料を使った屋根葺きの総称。茅葺きの中でもっとも高級なのが「葦葺き」ということになる。