湖北の観音

湖北の観音

長浜市長浜城歴史博物館 編
B5 ページ 並製
ISBN978-4-88325-487-3 C0021
奥付の初版発行年月:2012年09月
書店発売日:2012年09月14日
在庫あり
1800円+税

内容紹介

平成22年の市町合併により、文化財保有数が倍増した滋賀県長浜市。多くの文化財が奈良・平安時代まで遡ることができ、まさに文化財の宝庫と呼ぶにふさわしいところである。湖北地方の代名詞でもある「観音」にスポットを当て、優れた造形とともに、数百年に亘り守り継がれてきた地域に根付く信仰の心を紹介。

目次

■飛鳥・奈良時代の観音信仰
■平安時代の観音信仰
■鎌倉時代の観音信仰
■室町時代の観音信仰
■江戸時代の観音信仰
■観音の里のホトケたち
■湖北の観音信仰と己高山
■論 考
列品解説/展示資料一覧

前書きなど

 はじめに
観世音菩薩とは何か
 仏教の代表的な菩薩として非常に信仰される。インド・バラモン教の神が取り入れられたもの。その信仰の原点となる経典が、『妙法蓮華経』普門品である。そこには、一心に「南無観世音菩薩」と唱えることにより、七難の苦厄を救う大慈大悲の菩薩であると説かれる。すなわち、世間の音声を観ずるものという意味で「観世音」と名づけられたとする。この菩薩の基本的な姿は、「聖観音」で、左手に未開敷蓮華を持ち、右手は花弁を開く相を示し、多くは立像である。その神変自在の働きを示すものに六観音があり、聖観音・千手観音・馬頭観音・十一面観音・如意輪観音・准胝観音であり、これに不空羂索観音を加えたものを七観音という。日本への伝来は飛鳥時代で、これ以降国内でも造像された。奈良時代の写経に観音に関するものが多く、平安時代には和歌等にも取り上げられた。平安末に成立した「西国三十三所観音霊場」の信仰は、観音がその後次第に貴族社会から庶民へと浸透してゆく契機になるのである。

   

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