近江の狛犬を楽しむ

淡海文庫 67
近江の狛犬を楽しむ

小寺 慶昭
B6判 202ページ 並製
ISBN978-4-88325-199-5 C0339
奥付の初版発行年月:2020年12月
書店発売日:2020年12月15日
在庫あり
1500円+税

内容紹介

京都、大阪の狛犬調査を始めて30年。今回は近江の狛犬1385対と出会い、狛犬との楽しみ方を指南。名工佐吉の狛犬を見つけたこと、信楽焼狛犬、湖南に集中する建部式狛犬など、地域によって狛犬の種類にも特徴があり、その見分け方についてもユーモアを交えて解説。狛犬の変遷や石工、そして寄進した人々の事など、この1冊を携え近くの神社にお参りし、狛犬さん達と出会ってみたくなる。

目次

はじめに 狛犬を知っていますか?

第 一 章 大宝神社の日本一の木造狛犬
  日本一の木造狛犬/陣内狛犬と参道狛犬/獅子と狛犬/大宝神社の狛犬は「獅子と獅子」/大宝神
  社狛犬モデル、全国に広がる/近江の参道には二〇対の古代式狛犬/湯次神社の古代式男
  八兄弟/その他の古代式狛犬/南大門式狛犬/狛犬と神馬と狐や牛たち

第 二 章 近江の神社の狛犬設置率
  調査対象の限定/近江の神社の狛犬設置率/近江の狛犬総数

第 三 章 近江で最古の参道狛犬
  狛犬調査の楽しみ/近江最古の狛犬/関根氏の活躍/加茂神社aは白川型狛犬

第 四 章 近江の古い狛犬ベスト一一
  近江の白川型狛犬/近江の古い狛犬ベスト一一/海津天神社の狛犬/無動寺弁天堂の
  狛犬/上笠天満堂と立木神社の狛犬/高岸・諏訪・尾崎神社の狛犬/近江にいる全盛
  期の浪花狛犬/近江一可愛い浪花狛犬

第 五 章 近江の幕末の狛犬たち
  近江は浪花狛犬文化圏/愛嬌のある浪花型狛犬/古風な味のある浪花型狛犬/個性的
  な浪花型狛犬/蝦蟇型と八重垣型の浪花狛犬/その他の江戸時代の狛犬

第 六 章 名工・丹波佐吉の狛犬
  日本一の石工/佐吉が造った参道狛犬/二系統ある佐吉の作品/天神社aは佐吉の貴
  重な作品
第 七 章 信楽焼と備前焼の狛犬
  恨めし顔の狛犬/信楽焼の狛犬/伊部焼(備前焼)の狛犬

第 八 章 出雲から来た狛犬たち
  近江商人と浪花狛犬/三大狛犬文化圏/小幡神社aは出雲の来待石製/出雲式狛犬出
  雲型と出雲系狛犬/出雲式狛犬八重垣型/八重垣型狛犬が高島市に多い理由

第 九 章 近江も制覇した岡崎狛犬
  参道狛犬略史/岡崎狛犬とは/岡崎狛犬の占有率/古い岡崎狛犬/近江の大正期を風
  靡した石茂式狛犬/大坂と江戸のはざま

第一〇章 近江の狛犬いろいろ 
  湖南に集中する建部式狛犬/近江唯一の白山式狛犬/近江の青銅製狛犬/近江の巨大
  狛犬ベスト五/近江の小型狛犬ベスト三/狛犬に込められた思い

あとがき

前書きなど

■まえがきより
私は狛犬の魅力に取り憑かれ、京都府内の全神社を調査した。次に大阪府の神社を巡り切り、続いて滋賀県内の全神社を、大津市から反時計回りに琵琶湖を一周して調査した。
 県内では一八三〇の社寺を巡った。もちろん竹生島にも沖島にも行った。山奧の廃村の神社で狛犬調査をしていると、日傘を差した着物姿の女性が歩いてこられて仰天したこともある。避暑に夏だけ帰ってこられるのだという。大汗をかいて登った伊吹山山頂では、狛犬がいなかった寂しさをヤマトタケルの像に慰められた。朽木村(当時)の山中で江戸時代に大坂から寄進された狛犬を発見した時には、震えるほど感動したものである。
 県内の社寺の参道で計一三八五対の狛犬たちと出会ってきた。本書は私が足で稼いだ近江の狛犬の調査報告書であり、先の一〇の質問に答えつつ、狛犬観察の楽しさとともに、その背後に見え隠れする多くの人々の生活や願いが少しでも伝えられればと願う。
 是非、近江の狛犬を楽しんで頂ければ幸いである。そして、近くの神社へ出かけられ、狛犬と友達になって頂ければと願いつつ、筆を進めていくことにする。

著者プロフィール

小寺 慶昭(コテラ ヨシアキ)

1948年、京都市に生まれる。京都教育大学国文科を卒業後、1970年より京都府内国公立中学校教諭(国語科)、副校長等を経て、1995年から2013年まで龍谷大学文学部に勤務(教師教育学)。現在、龍谷大学名誉教授。1992年には狛犬研究で宇治市の「第二回紫式部市民文化賞」を受賞。著書:『狛犬学事始』『京都狛犬巡り』『大阪狛犬の謎』(以上、ナカニシヤ出版)、『大阪府の参道狛犬』(橋本印刷)。共著:『近江の地名―その由来と歴史』(サンライズ出版)・『京都学の企て』『京都学を楽しむ』(以上、勉誠出版)、『地名が語る京都の歴史』(東京堂出版)ほか。

   

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