戦時下の滋賀師範

淡海文庫 56
戦時下の滋賀師範 昭和18年の卒業生

滋賀県平和祈念館 編
B6判 184ページ 並製
ISBN978-4-88325-183-4 C0321
奥付の初版発行年月:2016年09月
書店発売日:2016年09月10日
在庫あり
1200円+税

内容紹介

 現在の滋賀大学教育学部の前身にあたり、県下の教員を養成した滋賀師範学校。戦況悪化にともない、昭和18年(1943)卒業の学生たちの多くが、飛行兵に志願し、生還の可能性がない特別攻撃隊の一員として出撃していった。
 手紙や友人・家族の証言をもとに、彼らの学校と軍隊における日々を追う。

目次

 はじめに
1 滋賀師範学校
 滋賀師範学校
 県民に親しまれた滋賀師範
 昭和18年の学制改正
 昭和18年の卒業生
2 師範学校時代の学生たち
 学生生活
 入学前の宇野栄一さん
 バンカラ学生だった宇野栄一さん
 サッカー少年だった碓本守さん
 蹴球(サッカー)部
 明治神宮国民体育大会
 多才な吉田信太郎さん
 修学旅行
 教育実習
 近江神宮の造成
 学校教練と配属将校
3 学生たちの軍隊志願
 軍隊の組織
 海軍予備学生・陸軍特別操縦見習士官の募集
 特別攻撃隊
 師範学生の軍隊志願
4 入隊、そして青年将校として
 宇野栄一さん(陸軍特別操縦見習士官)
 碓本守さん(海軍飛行専修予備学生)
 曽和敏章さん(海軍飛行専修予備学生)
 吉田信太郎さん(海軍飛行専修予備学生)
5 戦争の終わり
 戦死した同級生
 戦争をくぐり抜けた同級生
6 40年が過ぎて
 卒業40年目の同窓会
 あとがき
 主要参考文献

前書きなど

 現在の滋賀大学教育学部は、「滋賀師範」の名で親しまれた師範学校(教員養成学校)を母体としています。
 師範学校を卒業した小学校教員には兵役期間を5ヶ月で済ませる特典がありましたが、日中戦争が激化した昭和14年(1939)にこの制度はなくなり、一般国民と同様に戦争へ行かなければならなくなりました。
 戦況が悪化していくなかで、陸海軍は一般の高等教育機関を卒業した学生を速成訓練して飛行兵にする制度をはじめます。この制度に最初にあてはまったのが、昭和18年(1943)に滋賀師範学校を卒業した学生たちでした。
 この学年から多くの方が飛行兵に志願し、そして生還の可能性がない特別攻撃隊の一員として出撃してゆきました。また、志願しなかった方もほとんどが徴兵され、国内外の戦地へと出征しました。
 教員をこころざした滋賀師範学校の学生たちは、時代の流れに巻き込まれ、戦争へ行かれたのです。
 滋賀県平和祈念館では平成27年度第13回企画展示として『戦時下の滋賀師範─昭和18年の卒業生─』を開催し、戦争で亡くなった方々を中心に紹介いたしました。本書はこの展示で紹介した体験談・回想談を増補するとともに、大幅に加筆してまとめたものです。
 本書をとおして、先の大戦において滋賀県の身近な人々が経験された苦難に気づいていただき、現在の平和への思いを深めていただければさいわいです。

著者プロフィール

滋賀県平和祈念館(シガケンヘイワキネンカン)

2012年3月、戦争と平和をテーマとした県立博物館として開館。毎年3回程度開催される企画展示では、滋賀県民の戦争体験を中心にさまざまな視点から、戦前・戦中・戦後の暮らしを紹介している。

   

コメントはまだありません

コメントはまだありません。

この投稿へのコメントの RSS フィード。

所属シリーズ・ジャンル

まちづくり・地域社会淡海文庫郷土史・民俗文化
ページの上部へ