

1 プレアデス星団(すばる)、2 オリオン座大星雲M42、3 天究館が発見した最初の小惑星「Taga」。2番目は「Biwako」、他に「Hikonejyo」や、「Nagahama」と名づけられたものもある、4 月面のクレーター 、5 土星(西谷輝昭氏 撮影)
高橋進さん 天究館はダイニックという会社の敷地内にある施設ですが、会社自体は繊維関係のメーカーです。天究館が完成した当時の社長が、「子供の頃の夢は天文学者」というくらい星が大好きだったので、多賀工場の生産が軌道に乗ってきた時、日ごろお世話になっている地域社会の皆さんに恩返しをする、いわゆるメセナ(企業の芸術文化支援)の一環としてつくりました。
──高橋さんが、天究館の館長となられたきっかけは何ですか。
高橋 私はもともと、ダイニックの東京本社で営業をしていました。ただ、星好きで、個人的に天文観測などをやっていたんです。そんなある日、星好きの社長から、「オーロラ見たくない?」と誘われて、カバン持ちでアラスカに行ったんです。しばらくして、今度は「天究館の人手が足りないんだよ。高橋くん、オーロラ見たよね」と言われまして(笑)。現在は、ダイニックの総務の仕事のかたわらで天究館の仕事をしています。
──天究館の博物館としての特色は?
高橋 従来の博物館は、展示物を眺めるだけの場所というイメージがありますが、天究館では「自分たちで見よう、体験しよう」ということを主眼に置いています。巨大望遠鏡を使って、昼間は太陽、夜は星を観察し、流星群のある日には、臨時の観望会を開くこともあります。観測を通して宇宙を知ることで、地球という星のすばらしさと、地球の環境を知っていただきたいという思いで、天究館を運営しています。
私だけでなく、天究館友の会(講座の講師なども担当いただくアマチュア天文家の人たち)と天究館星の会(小中学生も含む星好きの人たち)という2つの組織がボランティアで活動していて、観望会にかかわる様々なお手伝いをしていただいています。
──来館者はどのような方が多いですか。
高橋 親子連れが最も多いですが、最近は若いカップルの来館も多いですし、50~60代の年輩の方、子供の頃にアポロの月面着陸などに興奮したけれど、高価な望遠鏡を買うような経済的余裕はなかったという世代の人も増えてきていますね。天究館が開館しているのは原則、毎週土曜日だけなのですが、天気がよければ、夏休みは100人以上、冬でも20~30人は来られます。
──最後に、冬という季節は天文的にはどうなんでしょうか。

館所蔵品の一つ「トルカ隕鉄」。メキシコのメキシコ州トルカ地方で多数発見された隕鉄の一つで、100 万年かけて温度が1 度下がるくらいのゆっくりした冷却によってできる、ウィドマンステッテン模様が観察できる
住 所 犬上郡多賀町多賀283-1 連絡先 TEL 0749(48)1820 太陽観察会 毎週土曜日 午前11時~午後5時、参加費/無料 天体観望会 毎週土曜日 午後7時30分~9時30分、参加費/一般200円、小・中学生100円、幼児無料 アクセス JR彦根駅から車で15分 |
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