2021年 3月 30日

ラジオ関西で、疫病退散!角大師ムック編集部編『疫神病除の護符に描かれた元三大師良源』が紹介されました

 
▼文豪・谷崎潤一郎が訪ねたかった生誕地 アマビエ・鍾馗に続く疫病除け 実在した平安の高僧、「元三大師」を知っていますか?
 
……「見てて面白い姿ですよね」地元・長浜城歴史博物館の学芸員・福井智英さんが微笑んでその姿を眺める。福井さんは1995年、長浜の歴史を研究するなかで元三大師・良源の存在を知る。「比叡山の高僧、天台座主になった人物が、姿を変えて民衆を守るというストーリーに魅力を感じました。妖怪・アマビエはSNSで広まりましたが、もともとは実在の人物としての元三大師の方が知られています。何となく愛嬌もありますし、元三大師のお札や護符を、機会あるごとに集めるようになりました。イケメンにコワモテ……いろんな表情があるんですよ」
 
 福井さんの護符のコレクションをはじめ、それぞれの寺院が出す護符の元三大師の表情が微妙に異なる。
 
「独特のポーズなので、初めてご覧になった方は一体何者なのかと思われるでしょう。学芸員としての見地でお答えすると、仏教には如来、菩薩、明王などさまざまな仏が存在しますが、なかには恐ろしい、怖い姿をした代表的なものとして不動明王(大日如来の化身とされる)がありますよね。あえてそうした恐ろしい姿で教えを導くという側面があると思います。ただ元三大師の目がくりっとしていたり、口元が笑っているように見えるのは、観音の化身とされているからで、慈悲の心を表現しているのかもしれません」
 
「最澄が比叡山を開創して延暦寺の礎を築きますが、その約180年後に現れた元三大師・良源のころには延暦寺が衰退、山内の風紀も乱れて立て直しを図ります。もともと僧としての能力が高いから摂政・関白をつかさどる藤原家から一目置かれ、当時の政治ともうまく付き合いながら諸堂の再建のため資金援助のバックボーンを作ったのが功を奏し、比叡山をかつてないほどに発展させたところが、経営者の心に響くのだと思います。時代の流れを読んで政治と結びついた大きな決断力。これこそが功績でしょうね」
 
 福井さんは2020年6月、元三大師の生涯とその信仰について記した本「疫神病除(えきしんやまいよけ)の護符に描かれた 元三大師良源」を出版した。(サンライズ出版・32ページ 税込み990円)。すでに増刷も決まっているという。……(ラジオ関西トピックス2021/01/03)‬
 
疫神病除の護符に描かれた元三大師良源
ISBN978-4-88325-693-8
 

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