井伊直弼と黒船物語 幕末・黎明の光芒を歩く
豊島昭彦 著
この本の出発点は彦根である。それも、黒船が来る20年ほど前のとある質素な武家屋敷。主の名は、井伊直弼。大老として幕府の政治を牛耳ることになろうとは、おそらく本人でさえ思ってもいなかった頃のことである。埋木舎という名の、直弼が15年間を過ごした老屋を訪ねた時の驚きと感動から、すべては始まった。
彦根、江戸、京、そして横浜―。勝海舟を信奉する著者が、開国を決断した幕末の大老・井伊直弼の生涯にそって関連史跡を訪れ、黒船の時代をガイドする。ブログ連載時から人気の紀行エッセイを大幅に加筆・推敲し、待望の単行本化。
目次
旅のはじめに
■第一部 夜明け前の桜花 ─彦根・江戸・京都 井伊直弼の足跡を訪ねて─
彦根篇
埋木舎/彦根城/多賀大社/高源寺/大洞弁財天・龍潭寺・井伊神社・清凉寺/天寧寺
江戸篇
彦根藩中屋敷跡(ホテルニューオータニ)/彦根藩上屋敷跡(憲政記念館)/彦根藩下屋敷跡(明治神宮)/江戸城本丸御殿跡(皇居東御苑)/旧品川宿(土蔵相模)・愛宕神社(水戸浪士集結の地)/桜田門/豪徳寺(墓所)/掃部山公園(桜木町)
京都篇
金福寺・圓光寺(たか女終焉の地・墓所)
■第二部 黒船物語 ─幕末外交史の舞台を巡る─
浦賀(ペリー来航地)/久里浜(ペリー上陸地)/関内(日米和親条約〈神奈川条約〉締結地)/下田(下田条約締結地、アメリカ領事館跡他)/九段下(日米修好通商条約交渉地)/神奈川宿(各国領事館跡他)/麻布十番(善福寺・アメリカ公使館跡)/高輪(東禅寺・イギリス公使館跡)/生麦(生麦事件)
旅の終わりに
あとがき
主要参考文献
井伊直弼・幕末日本外交史年表