埋木舎で培われた井伊直弼の茶の湯

埋木舎で培われた井伊直弼の茶の湯

大久保 治男, 前田 滴水
A5判 64ページ 並製
ISBN978-4-88325-764-5 C0076
奥付の初版発行年月:2022年07月
書店発売日:2022年07月10日
在庫あり
1400円+税

内容紹介

「一期一会」という言葉がよく使われるが、これは井伊直弼が著した『茶湯一会集』に書かれている。直弼は世子になるまでの15年間を茶室・澍露軒がある埋木舎で過ごし、茶湯の一派樹立を宣言した。つまり直弼茶道の原点が埋木舎なのである。かつて直弼に茶名を授かった元側役・大久保小膳は廃藩置県後屋敷替えを命ぜられ、以後子孫が埋木舎を守り続けている。屋敷と茶室、井伊家から拝領した茶道具などとともに直弼茶道の真髄を埋木舎当主と直弼流茶道摂草庵宗家が解説。令和4年度彦根市茶の湯条例策定委員会の発足に併せ、発刊。

目次

■第一部 文化人・井伊直弼の「埋木舎」における茶の湯
  埋木舎当主 大久保治男
プロローグ
直弼茶道の真髄
「一期一会」と「独座観念」
埋木舎各室の案内
直弼の茶室「澍露軒」
「埋木舎」と「大久保家」—明治四年以来代々で守って百五十年

■第二部 井伊直弼の茶の湯 
井伊直弼茶道 摂草庵流宗家 前田滴水
埋木舎の茶の湯修行
直弼茶道の心
最後の茶会

 コラム
  彦根市茶の湯条例成立/直弼公より直々に「茶名」を授かった高弟
  埋木舎と彦根一会流/澍露軒茶会と石州流井伊大老御流/直弼と湖東焼
  直弼の見立て/埋木舎の保全・公開の功績も叙勲の評価に
  直弼と柳/彦根と横浜にある直弼銅像の秘話
  大河ドラマ第1作目は「花の生涯」

著者プロフィール

大久保 治男(オオクボ ハルオ)

 昭和9年(1934)5月東京都文京区生まれ。東京教育大学附属小・中・高を経て、中央大学法学部・同大学院修了。東京大学法学部研究員として「日本法制史」を研究。専任大学は山梨学院大学、山梨県立女子短期大学、駒澤大学を経て苫小牧駒澤大学創設に携わり、同大初代学長。その後武蔵野学院大学教授、同大学院創設に携わり副学長等歴任。駒澤大学名誉教授・武蔵野学院大学名誉学長。非常勤は中央大学、上智大学、山梨大学、川村学園女子大学、国士館大学等で「日本法制史」を講ずる。平成26年(2014)瑞宝中綬章授与。大久保家新右衛門より15代目、「埋木舎」が大久保家所有になって5代目の当主。著書に『日本法制史概論』(芦書房)、『江戸の刑法―御定書百箇条』(高文堂出版)、『日本法制史』(高文堂出版)、『江戸の刑罰・拷問大全』(講談社+α文庫)、『埋木舎と井伊直弼』(サンライズ出版)、『幕末彦根藩の側役 大久保小膳』(サンライズ出版)等。

前田 滴水(マエダ テキスイ)

本名・前田隆宏。昭和22年(1947年)1月横浜市の生まれ。横浜市立桜岡小学校、港南中学校、南高校を経て、早稲田大学理工学部機械工学科卒業。井伊直弼の家臣である奥野藤兵衛(号:宗泉)を祖とする井伊直弼茶道・摂草庵流の六世。三渓園、川崎大師、五島美術館、神奈川県慰霊堂等における大寄せの茶会に席主として参加。横浜市西区の掃部山公園で行われる「虫の音を聞く会」で井伊直弼の銅像に対する献茶の点前を担当。「庶民のわび茶」の普及に努める。

   

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