川と湖の回遊魚ビワマスの謎を探る

びわ湖の森の生き物 3
川と湖の回遊魚ビワマスの謎を探る

藤岡 康弘
四六判 216ページ 並製
ISBN978-4-88325-381-4 C0345
奥付の初版発行年月:2009年03月
書店発売日:2009年03月14日
在庫あり
1800円+税

内容紹介

海ではなく、琵琶湖と川とを行き来するサケ科魚類、ビワマス。雄の一部が湖へ下らないまま成熟する河川型の発見、アマゴなど近縁種との比較実験を通して、湖で進化してきた淡水魚の独自性に迫る。

目次

第1章 見なれぬ魚
 再会/川の魚つかみ/出会い/ダムの建設
第2章 ビワマスとサケ科の仲間たち
 醒井養鱒場/ビワマスとアマゴ/サケ属の仲間たち/サケ科魚類の生活
 陸封と降海/湖のサケ科魚類
第3章 さまざまな姿
 比較研究/体色の変化/“スモルト”の出現/スモルトと降海
 早熟な雄/成長と成熟
第4章 フィールドにて
 川へ/稚魚の生活/ 旅立ち/きっかけ/川下りの姿/ 旅のわけ
第5章 成長と食事
 成長のようす/ 形態変化と発育/食事のメニュー/食べる量の変化
 成長の比較/ダイエット?
第6章 川か湖か
 性比の偏り/川の残留部隊/アメゴの出現/残留の意義
 早熟雄の謎/湖の生活と産卵
第7章 ビワマスと海
 淡水魚と海水魚/チャレンジテスト/東京大学海洋研究所
 プロジェクトB/海水への適応/ビワマスと海
第8章 スモルト化とホルモン
 スモルトの生理/スモルト化とホルモン/甲状腺ホルモンと川下り
 体成分の変化/ハイブリッドの特徴
第9章 ビワマスの系譜
 ビワマスとの別れ/サクラマス群の中のビワマス
 琵琶湖の固有種/DNAから見たビワマス
第10章 ビワマスの誕生
 琵琶湖水系のアマゴの分布/ビワマスとアマゴの関係
 ビワマスの成立/故郷は日本海/学名の由来/名なしのゴンベ
第11章 ビワマスのゆくえ
 ビワマスと人の歴史/ビワマスの現状/ビワマスの保全と琵琶湖の現状

前書きなど

地球上で最も旨いサケマスはサクラマス群だろう。その一つである琵琶湖固有のビワマスを、子どものときから「魚つかみ」の好きだった藤岡さんが縦横に語ったもの。面白くないはずがない。
琵琶湖博物館 館長
京都大学名誉教授
川那部浩哉

著者プロフィール

藤岡 康弘(フジオカ ヤスヒロ)

1954年、滋賀県生まれ。
三重大学水産学部卒業。農学博士。
専門:魚類生態学・魚類生理学・魚類遺伝学・魚類資源管理学
所属学会:日本水産学会・日本魚類学会・日本水産増殖学会
現所属:滋賀県水産試験場 場長
これまでの研究分野:ビワマスの生理・生態、琵琶湖産アユの生態・資源、ホンモロコおよびニゴロブナの性制御・性決定機構、ウツセミカジカの生態など琵琶湖固有種の生態解明を中心に研究を進めている。
職歴:1978年に滋賀県に奉職。滋賀県水産試験場(現在4回目の勤務)・醒井養鱒場・滋賀県水産課(2回)・滋賀県教育委員会びわ湖博物館開設準備室・琵琶湖博物館に勤務。
ボランティア:川や湖の魚の解説やそのつかみ方などを各地の小学生などに指導して回っている。

   

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