比叡山の僧兵たち

別冊淡海文庫 25
比叡山の僧兵たち 鎮護国家仏教が生んだ武力の正当化

成瀬 龍夫
B6判 232ページ 並製
ISBN978-4-88325-191-9 C0321
奥付の初版発行年月:2018年12月
書店発売日:2018年12月21日
近日刊行予定
1800円+税

内容紹介

戒律の第一に置かれる不殺生戒を破り、中世の仏教教団に武力を有する僧兵が存在したのはなぜか。織田信長による比叡山焼き討ちの検証を皮切りに、鎮護国家仏教に内在した王法と仏法の関係、延暦寺中興の祖・良源の功罪、その武力正当化の論理に迫る。

目次

まえがき

■第一章 信長の比叡山焼き討ちを検証する
延暦寺の鎮魂・鎮護の塔
1.比叡山焼き討ちの大規模説と小規模説
2.焼き討ちはやはり大規模だった
3.比叡山焼き討ちをめぐる後世の評価
4.信長の比叡山焼き討ちをめぐる戦略評価

■第二章 中世寺院の武力 ―僧兵とは何であったか―
朝河寛一博士が世界に紹介した僧兵
1.言葉の由来
2.寺院武力の形成とその要因
3.得度制度の緩みと僧房の変容
4.寺院社会の仕組みと身分的秩序
〈コラム〉三塔詮議の模様
5.僧兵の武装と戦闘力
6.寺院武力の消滅と宗軍分離

■第三章 僧兵のイメージを見直す
「悪僧」イメージの拡大と固定化
1.飲酒生食・妻帯・殺生・放火・高利貸 ―世間一般の避難―
〈コラム〉仏教の戒律について
2.裹頭・刀杖による妨法 ―寺社のうちからの避難―
3.武装・不山住・武器製造 ―武家勢力からの避難―
4.強訴・国司職務妨害・治安悪化 ―朝廷からの避難―
5.中世ヨーロッパの修道会騎士と僧兵の比較

■第四章 良源は「僧兵の創始者」か
「良源=僧兵の創始者」説をめぐって
1.日の延暦寺は僧兵をどう見ているか
2.良源の「二十六箇条制式」と文武二道論
3.比叡山における文武の抗争と妥協
4.偉大な良源と負の遺産

■第五章 護国仏教と武力正当化の論理
僧兵武力は仏教の外か内か
1.鎮護国家の仏教とは
2.最澄の護国思想と「一隅を照らす」
〈コラム〉「照于一隅」か「照千一隅」か
顕教の最澄と密教の空海
3.王法と仏法の関係
4.武力正当化の論理
5.鎮護国家思想の復活と終焉

■第六章 延暦寺と三井寺 ―分裂と抗争の理由―
武力抗争300年の理由を探る
1.山門と寺門の対立の原因
2.延暦寺と三井寺の言い分
3.朝廷の権限と役割
4.共存共栄の思想がなかった

■第七章 秀吉による三井寺闕所の謎
不死鳥の三井寺
三井寺の魅力と謎/秀吉と三井寺の関係
秀吉による突然の闕所/闕所の理由を推理する

■第八章 延暦寺の堅田大責とその背景
延暦寺による堅田焼き討ちの謎
1.「甚だ富裕なる堅田と称する町」
2.堅田大責の発端と経緯
3.堅田大責をめぐる謎の考察
4.堅田大責と堅田衆の地域づくり
〈コラム〉 堅田の湖族

あとがき

著者プロフィール

成瀬 龍夫(ナルセ タツオ)

1944年、満州国生まれ。高知県で育つ。
大阪外国語大学中国語科卒
京都大学大学院経済研究科博士課程単位修得
経済学博士(京都大学)
京都府立大学女子短期大学部助教授を経て
滋賀大学経済学部教授、滋賀大学長を歴任
滋賀大学名誉教授、元放送大学滋賀学習センター長

   

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