「あの子はたあれ」の童謡詩人

別冊淡海文庫 24
「あの子はたあれ」の童謡詩人 細川雄太郎

夕住 凛
B6判 240ページ 並製
ISBN978-4-88325-181-0 C0395
奥付の初版発行年月:2015年10月
書店発売日:2015年10月31日
在庫あり
1800円+税

内容紹介

ただ懐かしいだけではない。子どもの頃に知らず知らず口ずさんでいた歌には、自然や人に対する押し付けではない感謝の念があった。
理屈ではなく、花や月を見て、ただきれいと思う心――。あるがままの自然が、ありふれた風景が、私たちに語りかけるものとは?
近江商人の町に生まれ、奉公と奉国を経験したふるさと詩人が、慌ただしく生きる現代人に残したメッセージを読み解く刻心の一冊。(初期詩篇を含む作品収録)

目次

まえがき
評伝 葉もれ陽の頃
第一章 ふるさとは商人のまち
 少年の原風景/日野商人の町で/母のまなざし/文学への目覚め/父の死
第二章 ふるさとを遠くはなれて
 お店行き/群馬へ/お風呂とハーモニカ/妹の死/手ほどき
第三章 ふるさとの想いはるかに
 レコード童謡/ふとんの中/戦争と童謡/ちんから峠
第四章 ふるさとへの帰還
 召集令状/戦地にて/大空襲のなかで/ユーチャンとミーチャン
第五章 ふるさと発「童謡」の輪
 自分の道/ふるさとにありて/ひたむきに/望郷の歌/童謡の心

細川雄太郎 童謡詩集 あの子はたあれ
  収録作品一覧
  初期作品/奉公時代から戦中まで/戦後から『葉もれ陽』以前/『葉もれ陽』以後/ふるさとの歌
あとがき

前書きなど

本文より

「ちんからホイ!」
平成十九年(二〇〇七)に公開された映画『ドラえもん のび太の新魔界大冒険』で使われる魔法の呪文である。これは二三年前(一九八四)に封切られた映画のリメイク版であるが、ドラえもんのひみつ道具「もしもボックス」を使って現実世界から切り替わった魔法の世界で、この呪文が何度も登場する。
さて、「ちんからホイ」という言葉は、童謡「ちんから峠」の詩の一節だというのをご存知だろうか。
この童謡は、滋賀県日野町出身の細川雄(ゆう)太郎(たろう)が作詞した。彼が二四歳、太平洋戦争が始まる二年前に奉公先の群馬で書いた作品である。
戦後になって、昭和二三、四年頃にリバイバルヒットした。当時一〇歳だった人は現在八〇歳になろうとしている。ドラえもんの「ちんからホイ」は知っていても、細川の「ちんから峠」や「あの子はたあれ」(だあれではなく、たあれ)を知る人は少なくなっている。
童謡詩人・細川雄太郎は千編を超える童謡作品を残したといわれる。ふるさとの静かな町の片隅で、仕事の傍ら季刊の詩謡誌『葉もれ陽』を発行し、たくさんの童謡愛好者を育てた。

著者プロフィール

夕住 凛(ユウズミ リン)

1957年(昭和32年)、滋賀県生まれ。学生時代から文芸詩に親しみ、創造的な生き方に興味を覚える。詩、俳句(号・白瞬)などの創作のほか、独学で作曲法を習得。細川雄太郎主宰の同人誌『葉もれ陽』に作曲参加し、氏の作品と人柄、童謡へのひたむきな情熱に触れる。現在は、楽器の演奏にも関心を持ち、近江八幡市日吉野町のコミュニティカフェ「スマイル」でギターの弾き語りにチャレンジしている。座右の銘は、森政弘博士の言葉「六眼」(密漠童洞慈自在=みつ・ばく・どう・どう・じ・じざい)。


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