滋賀の文化情報誌デュエット新撰 淡海木間攫
-
其の九十二挺天符櫓時計 伝彦根城槻御殿什物
江戸時代の時刻制度は現在とは異なり、不定時法といって、夜明けから日没までを6等分、日没から夜明けまでを6等分したものでした。つまり、同じ昼間の1刻(約2時間)でも、夏は長く、冬は短くなり、同時に夜間の -
其の八十九徳川家康画像
安土城考古博物館では、織田信長だけでなく、その周辺の人物の資料も収蔵しています。今年、大河ドラマで注目を集めている徳川家康もその一人です。家康は、桶狭間合戦で今川義元が討たれたのを機に信長と同盟を結び -
其の八十八ギフチョウ
琵琶湖博物館では、11月20日(日)まで第30回企画展示「チョウ展─近江から広がるチョウの世界─」を開催しています。この中で展示されているチョウの一つがギフチョウです。ギフチョウはアゲハチョウ科に属す -
其の八十七ほたる河川
今回紹介する守山市ほたるの森資料館の大切な品は、集めたたくさんのホタルの資料ではなく、ゲンジボタル飼育の道具でもなく、ましてや標本でもありません。一番重要で大切なのは、当館の横を流れている人工の川であ -
其の八十六四季大津写生図巻のうち粟津別保付近・膳所眺望・雪に積む膳所
小林翠渓(1902〜55)は膳所の画家。出身は舞鶴ですが尋常高等小学校を卒業した大正7年(1918)、浜大津付近で米屋を営んでいた叔父の紹介で当時の膳所町へ移り山元春挙に入門、画塾「早苗会」の塾員とな -
其の八十五大岩山銅鐸6号鐸(袈裟襷文銅鐸)
滋賀県野洲市が誇る文化財、大岩山銅鐸が野洲市小篠原の大岩山で明治14年(1881)に発見されてから140年を迎えました。弥生時代につくられた大岩山銅鐸は、日本の古代史を解き明かす重要な手がかりとして、 -
其の八十四小倉遊亀《磨針峠》
本作は二曲一双屛風です。日本美術の形式である屛風や巻子は、右から左に向けて鑑賞するのに合わせたストーリー展開がなされることが多いです。まず右端に立つ青年僧を見ると、昼なお暗い山道を足早に登ってきたとこ -
其の八十三姉川合戦翌年の浅井長政書状
今から450年前の元亀元年(1570)6月28日、北近江の姉川で浅井長政・朝倉景健(朝倉義景の一族)連合軍と織田信長・徳川家康連合軍が戦いました。いわゆる「姉川合戦」です。早朝に始まったとされるこの戦 -
其の八十二鳥居を描いた薬箱
甲賀市くすり学習館には、鳥居を描いた薬箱が展示されています。薬箱の上蓋には、「御薬入」や「近江国甲賀郡龍池村」「木村保生堂」等と書かれたラベルが貼られ、なかでも鳥居のマークが目をひきます。では、なぜこ -
其の八十一柴
リニューアルオープンした滋賀県立琵琶湖博物館の歴史展示室(B展示室)で、新たに展示される資料のひとつに「柴」があります。細い木の枝を丸く束ね、縄でしばっただけの簡単なつくりですが、過去の近江の人びとと
