
琵琶湖エレジー
四六判 228ページ 上製
ISBN978-4-88325-847-5 C0093
奥付の初版発行年月:2025年05月
書店発売日:2025年05月29日
在庫あり
これぞ昭和文学! 昭和39年東京五輪を間近に控えた大阪の下町での出来事などを描いた前著『オリンピックの夏 新世界』に続き、昭和文化を交えてノスタルジックに奏でる悲歌(エレジー)です。どっぷり浸ってください。
東京を離れ彦根に降り立った主人公は何を見たのか。暗くなるまで待って、近江鉄道、学生運動、リルケ、芥川龍之介、ふなずし……。「昭和」×「文学」×「滋賀」が交錯する短篇小説集。
赤鯥
庚申山異聞
変型の中庭
沈む家
一炊の夢
紙風船
琵琶湖エレジー
あとがき
君 知るや南の国
北條民雄の「最初の一夜」を川端康成が「いのちの初夜」とした。
田中英光が「杏の実」を太宰治のアドバイスで「オリンポスの果実」とした。
そして、梶井基次郎や中島敦。
そんな夭折(?)した作家たちを知ったのは、いつだったか。
・・
ある川のほとりで「きょう十代が終わる」と思ったことを、はっきりと覚えている。だれが言ったか「美しい十代」なんて。
あれから六十年余、これが私の人生か。
その間、三十歳代から、なんとか「滋賀作家」の同人でいることができた。「ささやかな交流」で少しく書いたか。
今、角氏・宮下氏・川田氏・寺井氏・山下氏・濱氏らの励まし(?)で、ここにいる。
君 知るや西の国
……
このたびも、矢島潤氏のお世話になった。
二〇二五年四月
安部良典
1942年、滋賀県生まれ。「滋賀作家」同人。鹿児島大学法文学部卒業。のち県内の高校教員。現在、真宗寺院住職。
著書:『オリンピックの夏 新世界』(サンライズ出版、2020年)
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