
淡海文庫 76
魯山人前夜 北國路を往還する福田大観
B6判 220ページ
ISBN978-4-88325-840-6 C0372
奥付の初版発行年月:2025年03月
書店発売日:2025年03月26日
在庫あり
考古学、窯業史を専門とする著者による、魯山人評伝ともいえる作品。本書は篆刻作品を中心に据え、やがて焼き物の世界に傾注していくその過程を照準としている。北國路を行き来する中で、作られた書画や篆刻は彼の助走の時代であったという。彼の多くの作品は博物館などでしか見られないが、ぜひ本書を片手に現地に残る扁額巡りもしていただきたい。
美食と陶芸で名を成した芸術家・北大路魯山人。1922年以前、東京や京都を起点としながら、滋賀県長浜市、福井県鯖江市、石川県加賀市など北國路を往還した時代の書画や篆刻の作品も遺されている。実はこの数年間が彼の人生において大いなる助走の時期であった。本書では、福田大観と名乗っていた大正前半の彼の動きや作品を中心に、その具体像、背景を探ることにより、「日本の美」を創造した魯山人の実像に迫る。
はじめに 北大路魯山人のイメージ
第一部 房次郎から福田鴨亭まで
第一章 京都での日々
第二章 東京での日々
第二部 東京から江北、越前、加賀と京都
第一章 中国帰り
第二章 江北へ
第三章 京都との往還 内貴清兵衛との出会い
第四章 越前、そして加賀へ
第三部 魯山人登場 桃山復興
第一章 美食倶楽部から星岡茶寮
第二章 房次郎の転換とその背景
おわりに
1967年、京都市東山区生まれ。龍谷大学文学部史学科国史学専攻、人間文化学博士(滋賀県立大学)。専攻は考古学、中でも手工業史、近江の地域史に興味を持つ。紫香楽宮・甲賀寺関連遺跡及び信楽焼窯跡調査に携わる。1991年より財団法人滋賀県文化財保護協会を経て、滋賀県教育委員会文化財保護課。2017年より京都市立芸術大学、現在同学教授。
主な編著に『信楽焼の考古学的研究』『続・信楽焼の考古学的研究』『信楽汽車土瓶』『岡本太郎、紫香楽へ⊸信楽焼の近代とその遺産-』(いずれもサンライズ出版)
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