内容紹介

現在、経営者のみならず一般の人までもが良く認識している「三方よし」。この言葉を定義づけたといわれるのが小倉榮一郎である。本書は小倉榮一郎の『近江商人の経営』をベースとして、商家に遺る家訓や店則を紹介するとともに、新たな研究成果を基に各商家の経営や時代背景を詳述、社会貢献の事例などを加えた。

目次

一、商人の社会的役割と利益
　　　社会的貢献と近江泥棒/商人の本務と利益追求/不道徳な商行為の禁止/
　　　信用できる情報
　　　　中村治兵衛・三方よし研究所の原典・世俗弁利抄・内池三十郎・
　　　　高井作右衛門・伊藤忠兵衛・山中兵右衛門・外村与左衛門・市田清兵衛
　　　　西川甚五郎2代・中村武右衛門

二、近江商人の二大徳目
　　　金言と節約/金持商人一枚起請文
　　　　　松居久左衛門・中井源左衛門・高田善右衛門

三、陰徳善事
　　　近江商人の社会的貢献
　　　　中井正治衛門・古川鉄治郎・山中兵右衛門・藤野四郎兵衛
　　　　薩摩治兵衛と治郎八・塚本定次と正之・藤原忠兵衛
　　コラム　住友の近代化を築く

四、近江商人の資本主義
　　　店への出資と店の経営/利益配分法、三ツ割銀/会社企業、
　　　資本の抽象性/大福帳による複式簿記
　　　　西川利助と三ツ割銀

五、主人の権能
　　　商売替法度/単独信用授受の禁止/押込隠居/御先祖様の手代
　　　　　矢野久左衛門・藤井善助・小林吟右衛門・伴蒿蹊

六、従業員教育
　　　丁稚奉公の内容/丁稚奉公は教育制度/後継者教育
　　　　　矢尾喜兵衛・塚本喜左衛門・西川利右衛門・内池三十郎

著者プロフィール

小倉 榮一郎（オグラ エイイチロウ）

"1924年滋賀県彦根市に生まれる。1943年彦根東高校卒業　1946年神戸経済大学（現神戸大学）卒業　滋賀大学名葉教授、経済学博士、1992年逝去。
著書：『江洲中井家帳合之法』ミネルヴァ書房（1962）
　　　『近江商人の系譜』日本経済新聞社（1980）
　　　『近江商人の開発力』中央経済社（1989）
　　　『近江商人の金言名句』中央経済社（1990）
　　　『近江商人の理念－近江商人の家訓撰集－』サンライズ出版（2003）
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