和田 「Premium Marché(プレミアムマルシェ)」というのは、2013年から始まったヤンマーの食の事業活動で、「自然と人をつなぐ」をコンセプトに、生産者と消費者をつなぐ場を提供しています。
──ヤンマーミュージアム開館と同じく、創業100周年事業の一つですね。
和田 そうです。農業機械を販売するだけではなく、農産物をおいしく食べるという部分にもヤンマーが関わっていこうと、同年に青空市場を開催して、現在は大阪茶屋町の本社ビル12階にある社員食堂の一般開放や、オリジナル商品を展開しています。
このヤンマーミュージアムに併設された「プレミアムマルシェBIWAKO」は、滋賀県の食材を使ったメニューを提供するレストランです。お米は、野洲市の中道農園さんの有機栽培コシヒカリを、店内に置いた精米機で精米しており、ガス釜で炊飯するようすも見ていただけます。
ランチの「MY おむすびプレート」は、おむすびの具材とお味噌汁とお惣菜を選んでいただけます。また、季節ごとにメニューが変わるので違った味も楽しめます。
──珍しい具材やお総菜もありますか?
和田 ツナマヨにタクアンを刻んだのを入れた具材は、つるやパンさんのサラダパンを参考にさせていただきました。お惣菜は、滋賀県の郷土料理の要素を取り入れたものがあるのが特徴です。赤こんにゃくや泥酢(湖北で酢味噌のこと)を使い、子供たちへの食育の観点も取り入れています。
また、デザートメニューとしては、米粉ではなく、お米を一度炊飯してからゲル状に加工するヤンマー独自の製法でつくったライスジュレを使っているソフトクリームもあります。
──つづいてミュージアムショップです。
和田 ヤンマーミュージアムのオリジナル商品以外に地域連携の商品も置いています。長浜ですから、ガラス製のアクセサリーなどですね。これらは今後も増やしていきたいと思っています。
一番の人気は重機や農機のミニチュアで、これはパワーショベルのプルバックカー。
──いわゆるチョロQですね。縦に高さがあるので、動くとかわいい。
和田 ヤンマー開発部の社員が監修にたずさわるので、すごくこだわるんですよ(笑)。こちらのミニチュアはヤンマー建機がつくっているもので、本来は建設機械の購入者に記念としてお渡しする販促品なので、一般の方が購入できるのはこのショップぐらいです。すべて開発者が監修していますから本物に忠実です。先日の三連休にもよく売れました。
あと、ショベルのボールペンも人気です。
(2019.10.16)
編集後記
取材した10月16日は平日でしたが、かなりの賑わいでした。ちょうどリニューアル後初のフローティングスクールの受入日だったそうで、湖南市の小学校と養護学校の生徒たちが各コーナーで体を動かしていました(記事中写真は、9月26日の内覧会で撮影のものもあり)。翌日には、未就学児2人の母親である同僚から「取材してるの見ましたよ」と言われることに。保育園の運動会の代休になったこの日、家族で訪れていたそうです。(キ)