どんな化石が見つかったかということと同じぐらい、どこから見つかったかという情報も大切です。特に化石が含まれている地層やその深さは時代や時期を知る重要な情報です。正確に記録できるように、発掘するにあたって気をつけてもらっていただいていることがいくつかあります。
地層の境界を示す黄色い印が壁や杭についています。皆さんが立っている面がちょうど境界にあたり、足元の黄色い印よりも下の部分を「F層」と呼んでいます。今日はそのF層を掘っていただいています。
同じF層でも、深いところと浅いところでは時代の違いがあるかもしれないので、斜面のまま平らになるように、1カ所だけ深く深く掘り進むようなことはしないように気をつけています。むしろ、ここが出っ張っているなと感じる部分からかたづけていただくと、同じ時期にたまった地層を全員で同時に掘ることができるかと思います。
また、地面にころがっている土の塊(粘土)がありますが、これを蹴ったりすると全然違う時代のところに混ざってしまう可能性があるので、地面の粘土はなるべく動かさないように注意しています。
作業は、ツルハシなどで地面を割って、できた塊を、皆さんがさらに細かく砕いていきます。
ツルハシは事務局の者が使いますが、皆さんもハンマーや千枚通し、ドライバーなど、いろいろな道具を使いますので、ケガをしないように、周りの人にもケガをさせないように気をつける必要があります。