2008年 10月 17日

鳥居本宿場まつり

近年各宿場でまちづくり活動などと連携したお祭りやイベントが多くなってきている。柏原宿のやいとまつりをはじめ滋賀県内の中山道の各宿場でも毎年盛大にそれぞれの特色を生かしたイベントがある。

ところが、こうした動きとはご縁がなかった鳥居本宿でも、今年は、県立大学の学生諸君や町の有志が中心となって「とりいもと宿場まつり」を企画、来る10月25日、26日の2日間、中山道鳥居本宿を舞台にささやかながらも手作りのお祭りが開催されることとなった。

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鳥居本宿名物 合羽所の看板

イベントの契機となったのは、鳥居本宿のシンボル赤玉神教丸本舗有川製薬さんが、創業350年を迎えた本年、重厚なその家屋が彦根市指定文化財になったことが契機となった。春には有川家は明治天皇の御座所を公開、寄託していた大看板を展示するなど、地域の人々に大公開された。こうした熱意がまちの人々を動かしたのであろう。

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NHKてくてく中山道取材時の有川家前

とりいもと宿場まつり当日にも有川家が公開される。さらに初公開ともいえる上品寺所蔵の法界坊が江戸から釣鐘を持ち帰った時に使用した台車も展示される。
鳥居本宿本陣の現ご当主の協力で、大名がお泊り時の関札の展示や本陣跡のヴォーリズ建築のご紹介もある。鳥居本名物だった合羽製造過程で使用された道具なども旧鳥集会所に展示され鳥居本宿ならでは趣向だ。ここは湖東焼の赤絵師「自然斎」の旧居宅であった。ここでは期日限定のコーヒー店も開店を予定。

赤玉神教丸 有川製薬さんでは、、『近江路を歩いた人々』の著者、江竜喜之さんが「鳥居本を歩いた人々」と題する講演が25日13時30分から行われる。三赤で知られた鳥居本宿を赤く包み込もうとする「百彩プロジェクト」も協力いただくとのこと。

当日は、彦根市内では「着ぐるみサミット」で賑わうであろうが、静かに楽しみたい方にはおすすめのスポット。初めてのとりいもと宿場まつり、さては見てのお楽しみといったところ。

2008年10月25日午後、26日10時から16時、中山道鳥居本宿界隈
近江鉄道鳥居本下車すぐ

2008年 8月 29日

用田政晴さんの受賞

大津市のハン六財団は、毎年学術・文化・スポーツに多大な貢献を行った人々を顕彰し表彰しています。
オリンピックイヤーの本年は特別賞にフェンシングで日本発のメダルを獲得した太田選手が受賞。
そして学術部門では、
『琵琶湖をめぐる古墳と古墳群』
『信長船づくりの誤算-湖上交通史の再検討-』
『丸子船物語』
の著作のある用田政晴さんが受賞。おめでとうございます。

琵琶湖博物館開設準備室時代から現在にいたるまで、まさに琵琶湖博物館の誕生から係ってこられた新鋭の研究者です。
さらなるご活躍を祈念申し上げます。

2008年 7月 25日

東京で見るおこない

先週、自費出版フェスティバルのために上京。折角だからと、京橋のINAXギャラリーでの「おこない」展に立ち寄る。
展示には長浜城歴史博物館、高月歴史民俗資料館の収蔵品が多く展示され、壁面を彩るパネル写真は「DADA」編集長の杉原正樹さんの撮影がほとんど、彼の眼が素晴らしい。

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なんども見ているはずの「おこない」にかんする道具や写真が、ここではなんともお洒落に見える。いつもは、湖国の風俗には「べた酒とふなずしが一番」と思いながらこうした風習を見ていたのだが、おっと、このときばかりはワインに手が出そうな感じになった。展示の方法でこんなにも変わることを実感した次第。
23日には中島誠一長浜城歴史博物館館長の講演があったのだが、同行した太田浩司さんいわく「なんでこんなに人が集まるか不思議」という状況だったらしい。そりゃ、花のお江戸はともかく人が多いのですから仕方ないです。
それにしても、INAXでおこないというこの組み合わせがなんとも面白い。今後全国巡回されるらしいが、どのような反響をあつめるのであろうか楽しみである。

もう一つこの件の話題。制作部のMさんは川道の住人。そして今年はトウヤ。図録には少しだけその勇姿が覗いている。

2008年 7月 9日

近江路を歩いた人発刊記念追録

久しぶりに企画書作成に追われたもので、その間にビッグニュース掲載を社員ブログに先を越されてしまった。

江竜先生の発刊記念「近江の旅日記を読む、歩く、食べる」真夏日のような暑い日だったが、ご参加の皆さんの熱気となによりも著者江竜先生の元気パワーに終始押された格好。詳細は、社員ブログを御覧いただきたい。

淡海文庫の著者のご参加もあり、再現料理も素晴らしい。そして地元長浜のみなさんの暖かいご支援も感動ものでした。
曳山のお世話をされていたのはなんと前曳山博物館館長さんの西川さん。そしてながはま観光ボランティアの別府さんのご配慮で、まちなかウォークには、数名のメンバーの方が引率くださった。
そして暑い中、お休みにも係らず、側面的にご支援いただいた観光協会の清水さん。私的なイベントにも係らずご協力ありがとうございました。またまた長浜が好きになった次第。

2008年 6月 26日

2008年下期図書目録できました

過日、大手出版社の方との会話の際
「図書目録はインターネットだけ、印刷はしていないの」
という話されていた。発行点数が当社とは大きな差があるだけに仕方ないことかもしれない。
ところが、サンライズにとっての「図書目録」は大切である。このほどようやく2008年下期の図書目録ができた。担当のAさんが担当者の間で右往左往しながらもよくがんばってくださった。そして何よりも今回は表紙がリニューアルした。デザインのYさんならではの小気味いい色合いとデザインで少しお洒落になった。
当然中身の情報も盛りだくさん。どうぞお楽しみに。

2008年 6月 12日

趣味の集大成を本に

大津市在住の澁田義行さんの著書『近江の山野草』が瞬く間に完売。
定年後、山野草写真入門講座や里山自然観察会で植物のことと撮影についてを学び、その間、山行きは400回を超え、撮影した500点をこのたび『近江の山野草』として出版された。
関西一円に配布される情報誌に紹介されたことも大きく影響し、めでたく昨日で在庫切れとなった。もう少し出るかとは思うが、増刷は少し困難だと判断し悩みながら澁田さんのご連絡したところ、「初期の目的が達成したのですから」とすこぶる謙虚なご返事をいただき安堵する。
そして本日、ご来社され、さらに今後の計画をお話いただいた。澁田さんの山歩きと山野草撮影はまだまだ続くようである。

2008年 3月 14日

天然記念物「深泥池」

京都の北、14万年前の氷河期にその起源があるとされる「深泥池」

この池の自然と周辺の人びとの暮らしの変遷、さらには深泥池の保全活動を展開する人びとなどを網羅したまさに深泥池の百科事典といえる書籍『深泥池の自然と暮らし-生態系管理をめざして-』がようやく完成した。

深泥池は、普通によむと「みどろいけ」であるが、本書は「みぞろいけ」と呼ぶ。
この池の調査に係った7人の研究者を中心に、生態学、生物学、地質学、考古学、歴史学などあらゆる分野の専門家が、より平易に執筆いただき、実際保全活動に係る児童・生徒にも理解できるように腐心された。それだけに制作に時間を要し、まさにようやくという言葉がぴったりである。
時間がかかった分、その出来上がりには自信が深まる。
自然環境が激変し、道路の開設問題が浮上する中、瀕死に近い深泥池、洛中洛外図屏風にかかれた風情は薄れている。それでも四季の自然の変化に富み、都会の喧騒から少し離れただけなのに、豊かな自然が広がる。
できあがった書籍を手にすると、2006年の冬、深泥池に隣接する集会所で、地元の古老のお話を聞いたことが思い出されてきた。以前はどこもがそうであったように人と自然、水環境を取り巻くお話が思い出される。水がぬるみ、芽生えの時期、深泥池は今どのような姿を見せてくれるのであろうか。
この本を片手に散策はいかがか。

2008年 1月 17日

シニアニュースにがっかり

連日知らないメールの波が押し寄せる昨今だが、今週になって「楽天シニアニュース」なるものが配信されてきた。一瞬「何だ」とはおもったものの、データは正直だった。
むかしなら小正月、あるいは成人式の祝日であった1月15日が私の誕生日。めでたくというか、とうとうというのか「還暦」を迎えた。ブログで自分の年齢をばらしてしまう羽目になるというのも辛いが、昨日は社員のみなさんから、真っ赤な大きな花束をいただいた。
「社長おめでとうございます。これからもお元気で」誕生日を社員のみなさんから祝ってもらえたのは、節目の年であったから。さらには互助会からはお祝い金もでるらしい。母や姉妹たちもかなり豪華に祝ってくれた。気恥ずかしいものではあるが、まいいか、あんまり無理するなということなのかとも思った次第。

2007年 12月 10日

玩具コレクター高橋狗佛の少年時代

彦根城築城400年祭期間中に開催された「高橋狗佛の玩具コレクション」がイベントの終焉後も彦根夢京橋あかり館で常設されるらしいという嬉しいニュースを聞いた。
この高橋狗佛の本名は高橋敬吉といい、井伊家17代当主で28年間彦根市長を勤められた井伊直愛と弟正弘さんの家庭教師であった。
彦根藩士族の家に生まれ、教育現場でご活躍の後、懇願されて井伊家に入られた。この高橋敬吉氏が最晩年、ご自身の少年時代の日常生活を記したものがこのたび『彦根藩士族の歳時記 高橋敬吉』として発行した。
築城400年祭のイベントの一つとしてまちなか博物館で高橋氏のコレクションの運営に係った藤野滋さんのご尽力で生まれた書籍である。
発刊後、改めて読んでみると高橋さんの礼儀正しい中に、奔放かつ豪胆な性格が当時の風俗を背景にとても清冽に描写されている。藤野さん自身「文才があればなんとか小説にしたいものだが」と言われていたが、まさにそのとおり、時代小説と異なり、あまり多く世に出ていない明治の末から大正時代の地方都市のなにげない日常生活の中から今私たちが学ぶものが少なくはないと思うのだが。

2007年 12月 3日

研究成果の社会化

 淡海文庫39冊目の『近江の峠道-その歴史と文化-』がこのほど発行された。そして出版を祝う会が12月2日に開催。著者との旧知の方々がお祝いに駆けつけてこられた。
 本書は、木村至宏編著で、木村至宏さんのほか草津街道交流館の八杉純さん、高島市教育委員会の山本晃子さんの執筆で四方を山に囲まれた近江の峠道の歴史とその峠がもたらした文化の交流など多彩な視点での読み物となっている。祝詞の中で「親子のような研究者の共著」「木村さんの健脚ぶりに感心」など、親しいお仲間からの忌憚のない祝辞で会場が和やかな雰囲気が漂っていた。参加者は、木村至宏さんが主唱して設立された近江地方史研究会のメンバーを中心ではあるが、著者のみなさんの幅広いご活躍を示すように多彩な顔ぶれであった。発起人のお一人でもあった京都産業大学の井上満朗さんが最後のご挨拶の中で「研究者の日常の研究の成果の社会化が出版という形となる」というお話をされたが、そのようなお手伝いをさせていただいていることに誇りを感じたと同時に、さらに心してまい進することの必要性をも痛感したものである。

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