2006年 7月 6日

嘉田由紀子さん滋賀県知事に

開票が始まるやぐんぐん得票数が伸び、10時過ぎには当選確実。

誰もが予期しなかった事実だというが、支援者は堅く信じていた。しかし、決して万全な戦いぶりではなかった。それでも多くの人の心に響いた「もったいない」

最終日は県外に出かけていたので気がかりであったが。翌日早くに帰彦。
彦根事務所では、開票に向けて準備態勢づくりの最中。
「どうやらいけそうよ」「いいムード」になってきたよ」
皆の顔がほころび深刻さはほとんどない。
確証はできないが、いい風の流れがかんじられていた。

朝からの大雨で投票率は伸びていないのが気がかりであったが、前回より多く、
そして当選。
とにかくよかった、県民の気持ちが大きく動いたのだ。

かつて、琵琶湖での赤潮の発生とともに大きなうねりが市民の中から生まれた時と同じような小さな声が大きなうねりになったような感じがする。

一夜明けた今日、嘉田さんは各地への挨拶周り、昼前には彦根事務所にこられた。
激戦の疲れも見せず、いつもの嘉田さんの笑顔。
事務所のご近所にもくまなくお礼に走る。
講演会事務局長のKさん、ともに戦った各地の女性議員の皆さんも皆いい顔をされている。

勝負はついたが、本当の勝負はこれから、
嘉田さんのこれからは誰もが心配する。

新幹線は起工式を済ませ、工事業者も決定している。
議会の大半が現職を支持した選挙
どれひとつとっても克服する課題が山積する。
長野や徳島のようにならないことを願うばかりである。

組織がない中、自然発生的に誕生した選挙運動であっただけに、頼まれたのでもなく集まった支持者。
嘉田さんの長年の琵琶湖での活動の成果の結集であったといえよう。
おめでとう嘉田さん。そして皆様ありがとうございます。

2006年 6月 17日

先義後利栄

今月末にお伺いする諫早商工会議所青年部のご担当者さまからのお問い合わせ。

「『先義後利栄』を実践している企業があればご紹介いただけないでしょうか。是非訪問しておはなしを聞きたいのですが」

先義後利栄は大丸の創業者をはじめ近江商人の間でも盛んに家訓に登場する言葉であり、
商いは利益を求めることを優先するのではなく、相手様のために、お役に立つことは何かを先ず第一に考えること、そして行動することが大事である。
こうした日々の行動がやがて利益を生むことにつながり、家が栄えることにもなる。というものである。

昨年来、自分の利益というより儲けだけを優先し、「金で買えないものはない」とまで暴言する若き起業家の事件の浮上と同時に、先義後利栄もまた一方でクローズアップされてきた。

ところが本当にこうした考えを持つ人が、果たして「わが社は先義後利栄を実践しています」という言葉を堂々と言うわけがない。
仮にそういう人があったら、おそらく眉唾もののはず。

担当者氏には「ご自身で周囲の企業を見つめるか、経営者のお話などから確かめられることをおすすめします」と返事した。

NPO法人三方よし研究所事務局には、企業理念に関すること、家訓についてのお問い合わせが多い。わかる範囲は極力ご返事しているが、なかなか大変なことだ。

近江商人について、わかりやすく説明したものが必要だと以前から考えていたが、いよいよもって、必要に迫られてきたようだ。

2006年 6月 13日

すくすく くすの木

樹齢150年余のわが社のくすのき。
2月に枝を、思い切り伐採されたのだが、いまや日々成長が目覚しい。
先月末には小さな芽生えが見えただけであったが、いまや赤い若芽がぐんぐん伸びている。

この様子では以前より樹形がよくなりそうで、毎日楽しみである。

2006_0610hikone0002.JPG  2006_0613木綿屋0001.JPG

5月20日のくすのき        6月13日のくすのき

2006年 6月 11日

城下町彦根ぶらりの休日

花ショウブどおりの勝負市に協賛して彦根景観フォーラムの講演会が開催。
全く幽霊会員ではあるが、朝から出かけた。2本の講演と総会および懇親会と1日中、びっしりの行事が続いた。
午後に西川幸治先生が、本日は城下町彦根に託す気持ちを余すことなく話されたことには、一同大感激。午後には、花しょうぶどおりには出店者が勢ぞろいし、年々盛んになるこの催しは今年も天候に恵まれ大勢に人でにぎわいを見せている。

市内の3大学の協力体制も嬉しい。この熱気が来年の築城400年祭に行かせることを願ったものだ。

午前中の講演の終了と同時に、ほとんどに参加者がミニツアーにでかけた合間に、
一人で子供の頃の住まいしていた付近を散策。

母利氏の講演の中に登場した善利組に属する旧芹橋9丁目に中学を卒業するまで暮らしていた。
その後も仕事場がここであったことからとても懐かしい思い出が一杯。
甘酸っぱい思い出に浸れることを期待していたのだが、その変貌は期待を裏切られた。

それでも、昼食に入ったMOKUMOKUの食事には大満足。

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幼い頃から知り合いの方がご子息と一緒にオープンされたことは聞いていたが、機会がなかったのであった。昔からセンスの良さで定評のあるマダムの好みらしい素敵なお店、そして食事もお好みどおり。

周囲の景観にふさわしいたたづまいも嬉しい。

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とおりから少しはいってだけで、喧騒から遠く、豊かな気分に浸れ、少し歩き回って後のビールはまた格別においしかった。

2006年 6月 5日

現代の近江商人

塚喜商事の塚本喜左衛門さんからのご案内状を頂戴し、京都の重森美玲邸にお伺いした。
重森美玲さんのことをほとんど知らなかったのであったが、テレビコマーシャルに登場していた庭園であった。重森さんは、昭和を代表する造園家であると同時に多彩な才能をお持ちの人であったことを改めて知った。

重森邸と、隣接する屋敷を「招喜庵」として、このほどオープンされたのだ。

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塚本さんは、本業と同時に、伝建地区の五個荘金堂のご自宅を毎年公開されたり、また今は新たに登録文化財の保存にご尽力されていると聞き及ぶ。

かつて近江商人がさまざまな形で地域への社会貢献事業を展開してきたが、まさに塚本さんは現代版近江商人として先人と同様の事業展開をされている。

真夏を思わすような日差しではあったが、涼やかな風が吹く中、清廉なお庭を拝見して豊かな心持ちがする。

イサム・ノグチに影響を及ぼしたという、林立した四国の青石が、一層涼やかさを増幅している。

楽しいひと時を過ごさせていただいたことに感謝感謝である。

塚本様ありがとうございます。

2006年 5月 21日

竹工芸の杉田静山さん

野洲市銅鐸博物館で開催中の企画展「杉田静山の世界」の出かけた。
1996年『紙とペンで歩んだ道』という杉田さんの自分史を作らせていただいたことでお付き合いが始まり、その作品の流れるようなメロディーがなんとも繊細で精緻な竹工芸に惚れ惚れしていた。

そしてわが社の情報誌「DUET」にもご登場いただいた。

出かける前から楽しみであったが、まさに杉田さんの作品の歴史を見る企画展は、どの作品も表現に窮する豊かさがあふれていた。まさに杉田さんのお人柄そのままである。運よく会場におられた作者としばしお話ができたことはこの上もない歓びであった。
人懐っこいやさしいまなざしで、作品のこと、企画展開催までの経緯、技術伝承のための記録作りのことなどなど、一気にお話いただいた。横では古川館長が紙とペンを持って、杉田さんに話を伝えて下さった。

杉田さんはご自身の作品を紹介するホームページをお持ちであるが、是は奥さんが撮影から頁アップまでなさっているとのこと。

会場入り口付近に、一番最初の作品という、何気ない手提げかごがショーケースに納まっていたが、飾ることがお嫌いな杉田さんらしくほほえましかった。ちょうど教え子のみなさんが大挙会場にこられていただけに場内は熱気が渦巻いていた。その中で過ぎたさんはみんなに、懸命に説明されている。
素晴らしい作品にお出会いできたこと、そして変らぬ杉田さんとお話ができたこと、きょうのお天気のようにすがすがしく晴れ晴れとした休日であった。

2006年 5月 16日

近江商人誕生の背景

創立以来4年を迎えたNPO法人三方よし研究所「石の上にも3年」「3号雑誌」などどうにも3という数字を越えると永続性への道筋らしい。

事業の永続性を求めた近江商人の経営理念に学び波及することを目的としているのであるから、なんとしても長く活動を続けねばならない。

5月13日は通常総会を開催。
総会に先立って木村至宏氏の
「近江商人誕生の時代背景を探る」
と題する講演会を開催した。

近江の近世史、とりわけ交通史がご専門ではあるが、広い見識があり、独特の話術は参加者一同が吸い込まれえるように聞きほれる。

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たちまち時間が過ぎる。

本年は、なるほど三方よし講座のテーマとして、中世から近世の近江状況から近江商人誕生の要因を探ろうとするが、総会後、本日の木村先生のお話に酔った面々、もっともっと聞きたいとの合唱。
ご多用の先生にご無理をお願いすることになることであろうが、
再度のお話が楽しみでもある。

2006年 5月 3日

嘉田由紀子さん

知事選挙に立候補を表明した嘉田由紀子さんが来社。

今回の嘉田さんの行動には正直驚いたが、彼女の持論を通すためには正当な選択であったのかもしれない。純粋に滋賀のこと、琵琶湖のことを考えると、人任せにはできないというのが本音なのだろうか。

印刷業から出版に移行していく中で、近江の歴史や文化資源にかぎりなく誇りと自信を感じ、こんな素晴らしい地域をより多くの人に知ってほしい。住んでいる人々がその素晴らしさをもっともっと実感し、誇りに思うこと、守っていこうと行動することが、大切だと思う気持ちが大きく膨らんできた。

しかし、現実の問題として、自らの気持ちをセーブしなければ事業として成立しない部分も少なくはない。幸いにも、行政の問題解決の過程に参画できる機会をいただいてはいるが、ここは議論の場ではなく認証するかどうかの場のように感じている。

従来からの滋賀県の動きをすべて否定するものではないが、社会の変化の中で、従来の慣習からふっ切れていないことも多く、小さな動きであっても足元から湧き上がった大切な動きを増幅できるシステムもすくない。

また全国的に注目された滋賀独自の事業でも、さまざまな理由付けで打ち切られているという悲しい現実もある。

嘉田さんの考えは十分理解しているつもりではあるが、決して低くはないハードルであろうが、彼女らしい行動で飛び越えられることを心から願いたい。

2006年 4月 22日

金亀食堂のポスター

まちの駅「寺子屋 力石」でスピーチをする。
彦根商店街の花しょうぶ通りの中心にある商家が最近リニューアルしたもので、
彦根景観フォーラムと商店街のみなさんが運営。

まちの駅は以前、駄菓子屋さん風で商店街有志の方が運営されていたが、ようやく本格的な活動が始まり喜ばしく思う。

今日は「私と三方よし」という話をするように言われていたのだが、
どうしてもみなさんに見てもらいたい孔版画があったので、スライドでご覧いただいた。
それがこの孔版画
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昭和15年ぐらいの頃の作品であろうと思うが、

私が一番好きな作品

この金亀食堂が力石のまん前にあったのだ。
ここのマスターに独身時代の豊秀はフランス料理の手ほどきを受けたと聞いている。

どこか夢二のイメージが漂う作品である。

画像が小さいのでわかりにくいが、
女性の着物の柄が金色で鶴の刺繍を描かれている。

色合いが豊秀らしく、一番多く作品を作った時代でもあった。

2006年 2月 20日

なるほど三方よし講座

三方よし研究所では近江商人の経営理念の普及を目的に楽しみながら、理念を理解してもらおうと毎年、理念講座を継続開催してきた。

本年はとりわけ、近江商人の扱い商品をテーマにした。
夏には「ヨシ」秋には「近江上布」そして、2月18日には、日本酒をテーマに木之本の冨田酒蔵の酒蔵にお邪魔した。

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酒蔵ではまさに絞りたてを試飲し、みな上機嫌。続いては
『近江の酒蔵』の著者、家鴨あひるさんのお酒談義。

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まさに旨い酒と、旨い肴が登場し、冨田酒蔵製のお酒に飲比べ、
なんとも満足な一日でした。
なるほど講座 042.jpg ずらり並んだお酒を前にして冨田専務のそれぞれの味の解説

それにしても家鴨さんの日本酒へのこだわりと情熱、脱帽です。
いいお酒をどんどん紹介してください。

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