滋賀県庁舎本館

滋賀県庁舎本館 庁舎の佐藤功一×装飾の國枝博 

石田 潤一郎, 池野 保
A5判 ページ 上製
ISBN978-4-88325-547-4 C0052
奥付の初版発行年月:2014年10月
書店発売日:2014年10月25日
在庫あり
2000円+税

内容紹介

明治に建てられた煉瓦造庁舎の耐震性に危惧し、昭和12年から現庁舎の設計建築が始まった。日中戦争が始まり、鉄材不足で一部変更を余儀なくされたなかで、ギリシャ様式を基盤とし、格式を備えつつも現代的機能に対応した庁舎は、まさに経験豊富な二人の建築家が英知を絞り、端麗さを駆使した近代建築の総決算と言えよう。庁舎の構造や意匠、建築に至る経過なども含め、多数の写真・図版とともに紹介。

目次

はじめに           池野 保
第1章 滋賀県庁のはじまりと県庁舎の変遷
廃藩置県と滋賀県の始まり/円満院からの出発/現在地での明治期庁舎と明治二三年天皇行幸/
計画 を推進した中井弘知事/県庁舎の敷地
第2章 県庁舎本館建設を巡る経緯
改築への動き/改築に向けての先進建物調査/県庁彦根移転論争への懸念/庁舎の耐久力に対する
専門家の見解/再燃した県庁彦根問題/県会へ庁舎改築議案提案/県会での本格的な議論へ/県
会での深夜の議論、未明の議案通過/設計者と施工者の選定と請負契約/鉄材の国家統制と県幹部の
奔走/喜びの定礎式・竣工式 
第3章 県庁建築に関わった人々
設計者・佐藤功一/設計者・國枝博/共同設計について/施工者・大林組/平敏孝知事/ 佐々木尚徳  と前川鬼子男
第4章 滋賀県庁舎の造形の美
建物の概要/昭和初期の府県庁舎の課題/佐藤功一設計による府県庁舎における外観意匠の特徴/
当庁舎の外観意匠/佐藤功一設計による府県庁舎の平面計画/竣工当時の部屋配置/室内の意匠/
玄関・ホール・階段/知事室および知事別室/知事室ロビーと応接室/貴賓室/事務室/廊下/正庁/
県会議場/庁舎の建築後の改修/近代庁舎の総決算
本館改築記念写真

県庁周辺の近代建築
滋賀県体育文化館
大津市旧大津公会堂
びわ湖大津館

あとがき        石田潤一郎

著者プロフィール

石田 潤一郎(イシダ ジュンイチロウ)

鹿児島県出身。京都工芸繊維大学大学院教授、工芸科学研究科造形工学部門に所属。京都大学工学部建築学科卒業。同大学院博士課程修了。工学博士。京都大学助手、滋賀県立大学助教授を経て二〇〇一年から現職。
 専門分野は日本近代建築史・都市史。関西の建築家と建築作品の調査研究にたずさわる機会が多く、一九九八・九九年に行われた滋賀県近代化遺産総合調査では調査委員会委員長を務めた。二〇〇〇年に建築史学会賞、二〇〇三年に日本建築学会賞を受賞。主な著書に『都道府県庁舎―その建築史的考察』(思文閣出版)、『関西の近代建築』(中央公論美術出版)、『屋根のはなし』(鹿島出版会)、『湖国のモダン建築』(共著・京都新聞企画事業)、『関西のモダニズム建築』(監修・淡交社)などがある。

池野 保(イケノ タモツ)

滋賀県生まれ。現在、滋賀県教育委員会事務局文化財保護課参事。
滋賀県立短期大学建築学科卒業後、滋賀県教育委員会に勤務。以来、一貫して、県内の社寺建築、民家、洋風建築や街並みなどの歴史的建造物の調査や保護、および、国宝彦根城天守をはじめ国宝石山寺本堂、国宝西明寺本堂など多くの保存修理の設計監理や復原にかわってきた。現在、建造物担当総括として、県内の歴史的建造物の調査・指定、保存修理などに取り組むとともに、東京・宮城・島根などの博物館や、近江歴史回廊大学講座などの講師をつとめ滋賀の文化財建造物の情報発信を行っている。主な著書に『滋賀県近代建築調査報告書』、『重要文化財長命寺本堂修理工事報告書』、『重要文化財旧西川家住宅修理工事報告書』、『蒲生町史』『湖国のモダン建築』(ともに共著)などがある。

   

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