山門水源の森

山門水源の森 里山の再生と保全の10年

山門水源の森を次の世代に引き継ぐ会 編
A5判 234ページ 並製
ISBN978-4-88325-449-1 C0045
奥付の初版発行年月:2011年05月
書店発売日:2011年05月01日
在庫僅少
1900円+税

内容紹介

林地化した湿原を復元するため、絶滅危惧種の増殖や観察コースの整備などが行われた山門水源の森は、年間5000人もの来訪者が希少生物を観察できる地となった。10年の活動をふり返り、各地でも応用できる湿原保全の技法を紹介。
電子書籍版も発売中。詳しくは各電子書籍サイト(honto、楽天kobo等)でご覧ください。

目次

第一部 よみがえる山門水源の森の魅力
■森の情景
活動は元日に始まる─新雪の守護岩詣で─/雪の中の生き物たち/スノーシューで行く/冬の山門湿原/偶然の出会い/霞桜と春蘭/私の景色/宇宙万華鏡/息をひそめてモリアオガエルの産卵を観る/ハッチョウトンボに導かれて/ホタルの乱舞を夢見て/アサギマダラと自分なくし/「やまかど・森の楽舎」当番のおもてなし
■命つながる森
森の春は尾根から訪れる/湿原への誘い/きのこから観た山門水源の森/森林の放置によるナラ枯れの被害/やぶにらみ昆虫記/喰いつ喰われつ/暮らしを支えた里山/先人に学ぶ/山門の集落と水源の森/伝説の「姉さん老木」探索記/子どもたちの自然・環境学習のフィールド/私の自由研究「山門水源の森のキノコ」/地元の学校教育にかかわって/森は好奇心あふれる子どもの天下
■心と体への癒し
食道がんとの闘い・山門水源の森にいただいた命/癒しの山門水源の森/自然と共に生きる学習の場/貴重な体験/ボランティア作業体験ツアーを企画して/自然と真正面から向き合う楽習プログラムに好感

第二部 山門水源の森再生の歩み
■「山門水源の森を次の世代に引き継ぐ会」設立
なぜ「山門湿原」か/ゴルフ場開発問題浮上/地元西浅井町での説明会/ゴルフ場計画変更報道/滋賀県が公有化/湿原に放牧牛乱入/地元中学校が保全に協力/滋賀県が「山門水源の森」の整備開始/「山門水源の森を次の世代に引き継ぐ会」仮発足/「山門水源の森連絡協議会」の発足/「山門水源の森」限定的開放/「山門水源の森を次の世代に引き継ぐ会」正式発足/ 第一回「山門水源の森」生態系保全シンポジウム
■バイオトイレと「やまかど・森の楽舎」・付属湿地の建設
バイオトイレの建設/研修施設の建設計画に参画/心躍る工事着工/真新しい「やまかど・森の楽舎」で総会/ミズゴケで付属湿地を創成/山門湿原で観られる動植物はすべて付属湿地に/「やまかど・森の楽舎」の活用
■湿原の復元
湿原復元作業の経過/北部湿原の復元完了/希少生物が戻る/復元作業の中央湿原への展開/沈砂池の造成/サワランを絶滅させないために
■草刈と里山の植物再生
観察コース沿いの草刈/山門老人会の協力/ササユリの再生
■林内植生の保全
林内に散在する炭窯跡/ササ原の刈り払い/ミネラル補給場の発見/トクワカソウなど群落の保全/食草の分布拡大をはかる試み/枯死木・倒木整理による林床整備/琵琶湖森林レンジャーの配置
■観察コースの保全作業
侵入雑草の防止/観察コースの補修作業/観察コース危険物除去/心地よい観察をしてもらうために/沢コースの整備/「生育地保護区」の指定と各種助成/「山門湿原ミツガシワ等生育地保護区」に指定/各種助成金のおかげで保全活動が進む/「COP10」公式エクスカーション
■調 査
湿原定期調査/カエンタケ調査/ブナの実生生育調査/ユキバタツバキ調査
■観察会とツアーガイド
観察会・ツアーのスタイルと内容/観察会の効果/解決すべき課題/今後の観察会のあり方/次世代に向けて/〝守りたい〟との思いが引き継がれる山門水源の森

第三部 山門水源の森の研究史
■研究前史
■研究史  
付表「山門水源の森」関連環境問題年表
おわりに

前書きなど

東日本大震災後の日本。放射能汚染から逃れられない人びとと生き物の命に思いを馳せる今だからこそ、関西1400万人の命の水源である山門湿原に繰り広げられた里山再生と保全活動に未来への希望がみえてきます。湿地に息づくミツガシワやハッチョウトンボとの出会い。多くの皆さんの手にとっていただきたい感動の記録です。
滋賀県知事 嘉田由紀子

   

コメントはまだありません

コメントはまだありません。

この投稿へのコメントの RSS フィード。

所属シリーズ・ジャンル

ページの上部へ