底のない桶を平釜の上にすえつけ、少量の湯を沸かした中に人が入り、温湯(おんゆ)浴と蒸気浴を兼ねた「桶風呂」――滋賀県で用いられていた桶風呂の形や使用状況を研究してきた老文子さんによる講座と、それをもとにした企画展や体験イベントが高月町と東近江市で催されました。
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能登川博物館での桶風呂入浴体験。
入浴しているのは、今回のイベントを聞いて愛知県豊田市から駆けつけた、三州足助屋敷にお勤めの桶屋・橘利行さん(35歳)。
使われた桶風呂は能登川博物館の収蔵品の一つで、昭和59年(1984)に寄贈されたもの。おそらく昭和40年代まで利用されていた。比較的新しい桶風呂であるため、扉の部分にガラスがはめてあって中から外がのぞけ、カマドも全体がレンガ積みである)