伊吹山文化資料館

体験学習

取材当日(11月14日㈬)には、岐阜県から垂井町立岩手小学校3年生22名(先生2名)が体験学習のために来館。「きな粉ひき(前ページ)」「かきもち焼き(1)」「アイロンかけ(2)」「縄ない(3)」の4つをグループごとに交替で体験

──資料館の成り立ちを教えてください。

髙橋順之さん 平成9年(1997)から資料館づくり友の会会員の方などとともに展示作業を開始し、翌年に開館しました。もとは伊吹町立春照小学校の分校だった建物で、最小限の改修ですませています。

 1階は地域で使われていた民具類の展示が主ですが、地元出身の私も含めて昭和35年以降生まれの者はその民具自体にほとんどさわったことがない世代です。展示づくりの段階から参加いただいた友の会会員が、「ここには、これがないとあかん」と言って翌週には必要な民具を持ってきてくださったりして、展示がとても充実したと思っています。

──友の会とはどのようなものですか?

髙橋 資料館設立のころから携わっていただいている地元の人たちです。当初は「資料館づくり友の会」として活動していましたが、開館後は「資料館友の会」として、団体向けの体験学習の手伝いをしていただいたり、館内の掃除、展示物の改修作業をしてもらったりしています。現在、展示している道具や人形も、友の会の人たちによって作られています。

──体験学習の内容は?

髙橋 友の会会員が教える形で、小学生に昔の道具を使ってきな粉ひきや炭火アイロンの体験してもらっています。子供たちはかき餅づくりのような食べる体験が好きみたいです(笑)。

──普通、展示されている民具類はさわってはいけないものですが。

髙橋 当館の来館者にも、「写真を撮ってもいいですか?」から聞かれます(笑)。「どうぞ、どうぞ。さわって動かしてもらってもかまいません」と答えています。

──今日もかき餅用に火鉢に火が起こしてあったので、小学生が入ってくるなり、「なんか臭いがする」って言っていました。

髙橋 そうそう、火鉢の「温とさ」はどのくらいか、実物でなければわかりません。

──平日の小学生が体験学習をしている時に来館してもよろしいですか。

髙橋 ときどき参加する来館者もいらっしゃいますよ。12月はありませんが、1月、2月には週2校ずつ程度、米原市と長浜市の小学3年生が来館しているので、日時を問い合わせていただいてからでも、飛び込みでもご来館ください。かき餅やきな粉ひきのようすを見てもらえます。

──展示資料の中で、これを見てほしいというようなものはありますか。

髙橋 伊吹山周辺に豊富なモグサ(ヨモギの葉の裏の繊毛を精製したお灸の原料)関連のチラシ類は、地域の特色を表していておもしろいと思います。伊吹小や春照小に通っていた私たちの世代は、夏休みの宿題に「薬草採集」があったんです。ジュウヤクやゲンノショウコを学校で集めて地元の薬草屋さんで換金し、PTA活動などに利用されました。そうした「薬草の里」としての側面など、伊吹山周辺の自然や文化をテーマにした企画展示も行っています。

足踏み縄ない機

友の会会長の藤田慶一さんが操作する足踏み縄ない機。手前の差し口にワラを差し込みペダルを踏むと、縄をなって奥の胴に巻き取っていく


収蔵庫の民具。学校の文化祭の演劇などに大道具・小道具として貸し出すこともある

住 所 米原市春照77
連絡先 TEL・FAX 0749(58)0252
入館料 一般200 円、中学生以下100 円
開館時間 9:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日 月曜日、祝日の翌日
アクセス JR近江長岡駅下車後、湖国バス「伊吹登山口行」、ジョイいぶき下車後、西へ8分
伊吹山文化資料館MAP

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