2006年 9月 22日

てくてく中山道

中山道をテレビカメラが踏破するという企画「てくてく中山道」が今週から始まった。そして本日は高宮宿から鳥居本へ。
夕刻に旅人 勅使河原郁恵さんをはじめスタッフが合羽所に到着。鳥居本名物の合羽の取材があった。
江戸時代、人々が徒歩で旅した時代、雨の多い木曽路を目前にここ鳥居本宿で雨具の準備をしたのである。
盛時には20軒余の合羽所がこの宿場にあり、鳥居本宿名物は赤玉神教丸とともに鳥居本の三赤といわれた。赤玉神教丸は今も400年の歴史を伝えて製造されているが合羽は戦前にその生産が終焉し、歴史を伝える人も殆どなくなった。という私も、実際のことは何も知らないが、遺された仕掛品や版木、さまざまな情報でその概略が少しずつ判明し、わずかながらも人に伝えることが出来るようになっ次第。
合羽製造に従事していた方のお話を聞いていたことや遺された遺物からの推測以上のことは説明できないが、次第に状況が解き明かされることが今の楽しみである。
先日新たに、合羽の仕様書が出てきた。思い切って再現するというのもいいかなと思うこの頃である。
本日の取材のようすは25日に放映されるらしい。

2006年 9月 7日

信長の楽市楽座令と近江商人

三方よし研究所恒例のなるほど三方よし講座がいよいよ10月から始まる。今年は、近江商人が誕生した近江の歴史的背景に迫る企画となっている。10月7日には安土城下町散策と講演の集いを行う。
滋賀県がAKINDO委員会を解散後、三方よし研究所を設立し、小さな力ではあるが、近江商人の経営姿勢を広く全国に伝えよることを目的としている。興味のある方は是非ご参加を。

2006年 9月 5日

近江の発信力

このところ三方よしに関する取材が多い。本日は『近江の商人屋敷と旧街道』を携えてご来社された。三方よし研究所発行、サンライズ発売の近江旅の本シリーズである。情報を確実に発信できていると思うと嬉しい限り。

このAさん、滋賀は今まで通過していたばかりだったが、「やってきて始めて感じたのが、なんとも興味が多いことか。」とおっしゃる。当然でしょう。古くからの歴史の宝庫であり、自然環境が多彩、しかも現在も確実に前進しているのだから、とつい胸をはってしまった。

7月以来、滋賀での取材が続き、まだ少しかかるらしい。はてさて、今日の取材の結果がどのように料理されるか楽しみである。

それにしても、滋賀県が格好の発信源であるAKINDO委員会を終息してしまったことは惜しいと何度も言われた。AKINDO委員会が目指していたものは「近江商人の理念を新しいまちづくりや産業おこしに生かす」ことであったが、現在の経済社会状況の中、企業の社会的責任は、当時の目的をはるかに超えて重大な問題になっている。いまこそ近江商人をアピールできる大きなチャンスであり、滋賀の発信力を増大するべき時であるはず。

行政が事務的に10年を経過した事業の見直しということを繰り返していては、この先本当にしなければならないことが見えてはこないのではないだろうか。とはいえ、弱小NPO法人三方よし研究所が行政と同様の事業展開は困難である。
しかしながら、私たちらしい展開を発揮しなければ、それこそご先祖様に顔向けできないではないか。済んだことを悔やむことなく、それこそ進取の気性で歩みたいものだ。

2006年 9月 4日

江州刀工の研究

出版のお話が出てから、実際本が完成するまでには相当の時間がかかることはたびたび起こる。
原稿が未着という場合が最も多いが、原稿が揃ってからもさまざまな事情で遅れることが、かなり頻繁に発生すると、周辺事情にこれまた被害が及ぶ。

このたび、ようやく発行できた『江州刀工の研究』も足掛け3年にわたり、つらい思いをしていたが、中日新聞紙上の著者岡田孝夫さんのにこやかなお顔がを拝見して安堵した次第。長期間、お待たせしましたこと本当に申し訳ありませんでした。

2006年 9月 1日

秋口保波

一向に機運が高まってこない彦根城築城400年祭のイベントではあるが、関心の高い市民も多く、先月末から10月1日まで、彦根市が誇る洋画家「秋口保波」さんの彦根城に集中した絵画展が開催された。

今回、展示された作品には、はじめて見る作品も多く、30年以上前の彦根の風景を懐かしみながら楽しんだ。父や中島正治(崖山)先生と同様に彦根城の遠望が多い。
どうにのもこのお城は天守閣が主役ではなく、彦根山と一体に周辺の景色や季節のうつろい、そして周辺の櫓群などの集合体としての魅力が大きいようだ。
小学生の頃、恐れ多くもこのえらい先生に絵の指導を受けていた。生来の才能のなさや絵に対する興味が少なかった性で、折角のご指導が浮かばれていないが、アトリエの雰囲気は今も鮮明に記憶に残る。

会場に掛かっていた、金属製の火鉢を前に和服を着込んで絵筆を走らす秋口先生の写真がことのほか懐かしく感じたものだ。先生お気に入りの明るい朱色が、どの作品にもスパイスのような雰囲気が感じられ、帰宅するや我が家のかかる、ケシの絵と新たな感激で対面したのであった。

秋口保波(あきぐちほなみ)
 明治30年彦根市芹川町生。昭和51年享年没80歳。大阪信濃橋洋画研修所に入り、小出楢重、黒田重太郎らに指導を受け、野口謙蔵らとも親交。春陽会審査員。滋賀県を代表する洋画家の一人。

2006年 8月 24日

西瓜糖

中山道鳥居本宿には、かつて三つの赤の名物があったという。

ひとつは現在も生産されている有川製薬の「赤玉神教丸」という整腸薬。
江戸時代の盛況ぶりは近江名所図会にも紹介されている。

二つ目が戦前まで生産されていた鳥居本合羽。
我が家も「木綿屋」という屋号の合羽屋であった。
そして、すでに姿が消えた「鳥居本西瓜」であったという。

鳥居本西瓜は甘くおいしかったらしいが、皮が厚く不評でいつしか消えていったのだそうだ。その西瓜は腎臓の病気に効果のある成分が多く含まれているとのこと。

そしてこの成分で薬が作られていたという話を少し前、近所の方から伺った。
「へえ、そんなことがあったのか」と思っていた矢先、

父の孔版画を整理しているときに「西瓜糖」なるラベルが出現。
三日月型に切った西瓜のイラストと「西瓜糖」の文字、そして百寿堂なる製造もしくは販売元が入っていた。どうにも本当に存在したらしい。

またひとつ鳥居本宿の実態が明らかになったことは、なんとも嬉しい。

2006年 8月 6日

お盆が近づく

なくなった人の霊が現世に戻ってくるというお盆が近づき、今日はご町内総出に墓地周辺の掃除。
この役目は妹の担当で今年も早朝より出かけた。
私も自宅でご先祖様に笑われないように準備を進める。

誰が帰省すると言うこともないのだが、やはりご先祖さんに見られるのは緊張する。
私の知る範囲でも祖母も父もリンチョクな人であったので、かなりいい加減な私にはつらいが、
自分としては精一杯、お仏壇磨き(ほとんど埃払いに過ぎないが)、前栽の草取りに明け暮れた。

かつて父が亡くなったら、誰がこの前栽の手入れをするのかしらと思っていたのだが、
すっかりガーデニングにはまった私にとっては草取りもまた楽しい。
2006_08068月の木綿屋0006.JPG

父が好きだったシュウカイドウがつぼみを膨らませ、ヤブランもすがすがしい紫の花芽が伸びはじめている。
植えて3年経ったホトトギスもぐんぐん茎を伸ばしている。
灼熱の太陽の下でも、季節は確実に秋を迎えようとしている。
2006_08068月の木綿屋0005.JPG

今年は墓参用のオミナエシやミソハギがきれいに咲き、嬉しい限り、
来年はさらに夏菊を添えたいものだ。

2006年 8月 1日

CSRの潮流と商人道

彦根青年会議所が、『企業倫理とは何かー石田梅岩に学ぶCSR-』の著者平田雅彦さんを迎えての講演会が開催された。先日、同書を読み終えて早速講演をお願いしたいと思っていた矢先で、彦根青年会議所に先をこされたことを悔やんだものの、ともかくも出かけた。

講演の前のあわただしい時間にあつかましくもご挨拶ができ、「三方よし研究所」の名詞を出すと、「さすが滋賀ですね。いいことです」とお褒めの言葉をいただき恐縮した。

「見直そう商人道」というテーマのレジュメで講演が進められ、今、非常に監視が高まっているCSRとはなにか、どうしてかという話から、商業者の道徳観を説いた石田梅岩の思想、当然ながら近江商人の商いの理念も紹介された。最後には経済価値と社会価値の両方で企業全体の価値が判断され、21世紀の新しい企業像は「尊敬できる企業」であると結ばれた。

そして、例の石油ストーブの件について、深くお詫びの言葉を述べられたのには、少し驚いたが、今日のような話の中では当然ともいえよう。商いの理念は作るものではなく、生まれるものだということを実感した。

2006年 7月 14日

サンライズのちゃりん娘

梅雨明けを思わせるような日差しの昼過ぎ、
佐和山トンネルを抜け下り坂に差し掛かると反対方向に、
つまり登り坂を一目散に駆け上がってくるバイクが1台。

なんとわが社のちゃりん娘であった。
炎天下、帽子もかぶらず、のぼり坂をモノともせずに40キロくらいのスピード

彼女は常の昼休みは、会社のご近所の散策なのだが、どうやら市内にいくらしい。
今年入社したばかりの彼女、アウトドアが大好き、
早く起きた時、仕事を早く終わった時には、びわ湖までジョギングするという。

とにかく元気である。

その彼女が、今真剣に取り組んでいるのが本年秋発行の「近江旅の本」
仕事の進捗状況は、「ほんつな」サンライズ出版」をご覧ください。
彼女の奮戦ぶりが綴られています。

秋に発行する旅の本は、城下町彦根を深く楽しむ内容です。
彼女の活躍がきっと成果となることでしょう。お楽しみください。

2006年 7月 7日

マスメディアには弱い?

毎月第1金曜日の正午から、日本書籍出版協会京都支部の例会に出かける。

日常、昼食も粗食の私にとって、ホテルの豪華な食後の例会は、かなり厳しいものがある。必死で新しい情報を何とか入手をと思ってはいるつもりだが、よほどぼけっとしているのか

「岩根さん分かっていますか?」
と時折、叱責のような確認の言葉をいただいている始末。

今では、出版業の中心は東京であるが、なにせ日本の出版文化のルーツは京にあり、京都支部会員企業は、創業400年、300年という老舗の出版社が目白押し。そんな出版社と方を並べているのが変なぐらいの小さな地方出版社サンライズとしては、少々肩身は狭い。

まるっきり駆け出しのサンライズなどは、皆様のお情けの中で参加ができるというものである。

本日ここで話題になっていた話が大河ドラマのこと。

「今年はさっぱりですわ」
「去年はよおけでましたが、地味なのでしょう」

だそうだ。
昨年の大河ドラマ「新撰組」は関連本も多く、種類が多くてもいづれもよく売れたらしいのである。
ところが今年は、発行点数も少ないし販売も今いち、ということのようだ。
舞台が京都と近江では、大手出版社の熱の入れようがどうにも大きく違うようだ。
かなり悔しいが、現実なのでしょう。

「サンライズさんのガイドブックはどうです。もう重版してるでしょう」
小さな心にグサリと刺さる、京都ジンのその一言。

「なんせ初版が多かったもので・・・・」
うつむいて小さな声で答えるのがやっと。

昨年の今頃は、来年は・・・と皮算用していたのだったが、「3月はだめでも、4月になれば」、
「いや、やっぱり夏だよ」といっていたものの、果たして先行きいかがなものでしょう。

マスメディアにうまく乗り切れないのが、地方出版社の宿命なのでしょうか。それともわが社の宣伝べたなのでしょうか。

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