2009年 9月 3日

ロマンあふれる『近江漫遊』

日本文化の形成に大きな役割を果たしてきた近江に暮らして40年。
東京に生まれ、その後滋賀の事業所に勤務した著者が見る近江の姿を自ら撮影した写真とともに語る『近江漫遊』がこのほど発行。

かねてより謡曲の舞台としての近江の地を発信したいと思っていただけに著者菊池さんの原稿を拝見したとき、飛びあがらんばかりに嬉しかった。

白洲正子著『近江山河抄』では、同様の視点があるものの、ここには白洲さんの思いがあまりにも色濃いのが少々気になった。ところが菊池さんの筆は、多くを先人の言葉を引用しながら、近江の今を投影されているところが好きだ。

本書は、気ままに近江を歩いた「近江漫遊」、お隣の京都にも足を延ばした「古都散策」そして、お勧めの「湖北の能舞台」から構成されている。大津近郊の能舞台はすでに何度か紹介されているが、湖北の場合は案外少なかった。それだけになお嬉しい。

著者がまえがきに書いているように、気ままな旅にお付き合いするような感覚でお読みいただきたい1冊となった。

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