2017年 8月 5日

『再考 ふなずしの歴史』が地方出版文化功労賞・奨励賞受賞

地方での出版活動を奨励する「ブックインとっとり」において、『再考 ふなずしの歴史』が第30回地方出版文化功労賞の奨励賞を受賞することになりました。
「ブックインとっとり」は東京23区と鳥取県を除く地方出版社の本というのが対象で、一般投票の後に審査委員の審査があります。過去の受賞作品には、「おくりびと」として映画化された青木新門氏の『納棺夫日記』が受賞されています。
さてふなずしは滋賀県の高級珍味であり、また好き嫌いの激しい発酵食品・保存食品ですが、これが案外県外の人に人気があるようです。今回受賞した『再考 ふなずしの歴史』では、最古のすしと言われているが、実はその製法は進化してきたのではないかということから、中・近世に食されたふなずしのことを古文書や俳句などから読み取ろうと試みたものです。
編者である橋本道範さんは船上で地酒とふなずしを食しての講演会の企画から、様々な分野の専門家に原稿をお願いしたりと、しっかり漬かっておられましたが、そのご尽力が賞に繋がったのです。
単に「美味い」で済まさない研究者の執念だったように思います。

2013年 10月 22日

60歳にして、毎食後歯磨きをするようになりました。

26年前、「小学生によんでもらう冊子を作りたい」というお話を歯医者さんから受け、お手伝いをさせていただいたのが『歯の学習』でした。1年生から6年生用にと学年毎にイラストも入れた冊子は八日市市立布引小学校の児童に渡されました。
そしてこの夏、その歯医者さん・井田歯科東診療所の井田亮先生から連絡が入りました。平成19年から地元の滋賀報知新聞に掲載した原稿を元に一冊の本にしたいというお話でした。
そして、出来上がったのが『は・歯・ハの話』、価格は本体888円、もうすぐ発刊です。

井田先生が7年間にわたり、6月のむし歯予防週間や11月のいい歯の日(11月8日)に併せて書かれた原稿を野邑歯科衛生士と相談しながら、章立てなど編集のお手伝いをしていると「もう年だからとあきらめないで」とか「歯磨きは歯垢の除去と歯肉の強化が目的」などと書かれています。
それまで毎食後、歯を磨くことは歯にとって大事なことだと頭ではわかっていたのに、実は朝起きたときにしか歯を磨かなかった私が、「そうか、毎食後歯磨きしなければあかんのや」と一念発起、食後の歯磨きをするようになりました。これを読んだ方のなかには、「そんなの当り前やないの」と思っている方も大勢おられるだろうかと思いますが、なかなか習慣づけられない人には必読です。

実は著者・井田先生はロータリークラブ・西太平洋地域ポリオ撲滅キャンペーンにも尽力された方でもあり、歯科においても「むし歯を削って詰めておしまい」ではなく、まずはむし歯菌を除去することが第一という「予防歯学」を実践されている歯医者さんなので、書かれていることに説得力があります。

毎食後の歯磨きをするようになった最初の頃、歯ぐきから血が出ていましたが、毎日磨くようになると、どうやら歯肉が回復してきたようで、出血しなくなったのも驚きでした。
むし歯処置歯だらけ、ガタガタの歯並びの私ではありますが、でも歯周病で或る日ポロッと歯が抜けることのないように、これからもブラッシング励行と歯周病検査をして健康な歯の維持を心がけようと思っています。

2012年 12月 8日

『山村大好き家族ドタバタ子育て編』の現場に突入

ずっと前から知っていたミユキちゃんなのですが、ご自宅を訪問したのは今回が初めて。
とにかく、県道23号線をドンドン走れば突き当たりというわけで突入しました。
走ってみてびっくりしたのは、昔木地山まで行ったときは、もっと道が狭かったはずなのに、途中までは道が広くなっていました。
ニュースでもお知らせしていたように、木地山で本日から9日の日曜日まで、「風と土の工藝2012」の会場として、マンガの展示をしています。
 
それが、ここ。まんなかの二階建てのお家です。まさに琵琶湖の源流に住んでいるのですね。
家の横には沢から水を引いた池があり、見るとワサビが……。上に網をかけているところをみると、獲った魚を泳がしているイケスを兼ねているのかなぁと思いながら、玄関で「コンニチワ」というと、現れました、オノミユキご本人。
 
茶の間の長押に原画をグルーッと掲げていて、後日談などのコメントも書かれています。ひと通りみたら、なんだかホッコリと座り込んで、もう自宅の茶の間気分。
イヤイヤ本日は月2回連載を続けている毎日新聞さんの取材もありました。

紀之介君とさわちゃんは学校、新九郎君は保育所なので、ミユキちゃん曰く、いつもととは違ってとても静かだと。そうか、普段はここでドタバタしていて、ミユキかあさんの怒りの声が集落中にコダマしているのかと一人で妄想。

読み聞かせサークル「ホットケーキ」のお仲間と朽木の暮らしのいろいろも聞いていると、もう少し集落に子供がいたらねという話になり、よくよく考えたら、私の住んでいる町内には小学生が一人もいなくて、組単位で計算したら木地山以上に限界集落だったことに唖然。
そうか、限界集落って実は地理的条件だけではないのねと変なことで納得してしまった一日でした。

2012年 11月 20日

お待たせしました。オノミユキ10年ぶりのマンガ本、まもなく発刊です。

『HAPAHAPA朽木村』『HODIHODI朽木村』では男の子とまちがえられると言ってたミユキちゃんはその後、東京から朽木にやってきたダーリンを見つけ、今や3人の子どものおかあさんとなりました。でもマンガはその後も観光協会のHP、毎日新聞滋賀版、MOH通信などに書き続けてました。
 
で、今回は10年間のマンガをまとめ、『山村大好き家族ドタバタ子育て編』『山村大好き家族おもしろ地域編』の2冊にまとめ発刊することに相成りました。
 
そして第1弾の子育て編は12月7日に堂々発刊です。
何で12月7日というかといえば……。
実はこの日から高島市一円で開催される「風と土の工藝in高島」というイベントで、オノミユキのマンガ原画を展示するというので、じゃあ決めよ!!ということになったのです。会場は朽木の木地山にあるお寺・長泉寺。
最終日の12月9日午後4時からはこの会場で嘉田知事と木地山集落のみなさんによる「TAKASHIMA六郷講座」も開催されるそうです。
 
そうそう、今回の本は長男・紀之介君……もとい、カトキヨ氏の特別寄稿マンガも1編掲載されています。そして、カバーのタイトル文字は長女・かとうさわちゃんが書いてくれました。
 
田舎暮らしをしてみたいなと思う人にとっては、必読の一冊です。

2012年 11月 1日

『雑口罵乱6』本日出荷、そして滋大祭のこと

発売日から少し遅れてしまいましたが、ようやく本日『雑口罵乱6』が届き、早速取次に出荷しました。
ジュンク堂池袋店だと週末には並び、他の書店でも1週間位で並ぶと思います。
写真は届いた本にスリップを挟む作業をしているところ。
本当は午後から別の仕事をするつもりだったのですが、
追加原稿が届いたため、翌日に回し、すぐやれる作業をした次第。
配本している書店リストについてはDANWASHITSUをご覧ください。
発行が遅れていた『雑口罵乱』もようやく今年で軌道修正できて、何よりでした。
で、次号はたぶん来年の初夏くらいかな?

さて、夕方スーパーのパリヤさんへ買い物に行ったところ、入口でこんな手配りチラシをもらいました。
お揃いのパーカーきていた男女は滋大祭の実行委員だったのでした。
なになに、11月3日はロザンが来るのか。
ウーン、宇治原君のお父さんは鳥居本、お母さんは米原やから、そんなネタも話すのかしら?
そして、4日はレイザーラモン。確か背の高いのは同志社卒だったよね。
 
あっ、そんなことではなくて、こうして学園祭の情報を手配りしているのは毎年のことだったのだろうか?
今年は滋大祭のパンフレットの作成を承りましたが、ライブチケットをチケットぴあやコンビニで販売したり、手作りチラシを手配りしたりということ、地方の大学でもしていることに、おばさんは「なるほどなぁ」と感心しました。

地域の住民のみなさん、OBのみなさん、
模擬店や抽選会もあるそうなので、
お時間があれば、是非お出かけください。

 

2012年 10月 9日

『雑口罵乱6』は県大が洛中洛外図屏風絵に!!

10月末発刊予定の『雑口罵乱6』の書誌データがDANWASHITSUから届きました。
オオッー!! なんと滋賀県立大学が洛中洛外図屏風のように
描かれているではありませんか。
環濠型のキャンパスは、実は初めて訪れた人にとっては、
とてもやっかいな建物であり、迷っている人を道案内をすることも
しばしばあります。
実際、私の母は開学当初、一般受講生として大学の授業を受けていたのですが、
出口を間違えて迷子になったこともありました。
私にとっては結構出入りしているので、見慣れたキャンパスなのですが、
今回の表紙は本当にお見事の一言に尽きます。
こういう絵図は建物だけでなく、そこにいる人物がとても気になるのですが、
あらまぁ、馬に乗った人、お付きを従えて歩いている人なども描かれています。
先日、石山寺縁起絵巻を観に行ったところなので、
よけいググッときてしまいます。
でも、欲を言えば山口晃さん風にチャリに乗ってる先生とか、
本数の少ないバスなど、現代の人物描写も入れてあると
もっとおもしろかったかもしれませんね。

表紙は目立つほうが良いというのはさておき、内容も充実。
今回は2011年度のDANWASHITSUの報告で
4回の講演プラス3.11の大震災に関する復興支援プロジェクトや
高橋工業さんの講演など盛りだくさんです。
どうぞ、お楽しみに!!

2012年 9月 26日

アマゾンの不思議-城郭マニアさんへの返事

9月23日、伊賀上野城・お城会館で『三重の山城ベスト50を歩く』の発刊記念講演会が
開催されました。愛知の山城の時も記念シンポジウムを開催しましたが、
山城シリーズは多くの方に執筆をしていただいているため、
編集担当としては一部の方にしかお出会いしていないことが多く、
また読者の方々も執筆者から直接お話を聞いたりできるため、
こういう機会はこれからも続けていきたいと思っています。
さてタイトルの話に移ります。  
  

アマゾンには早くから『三重の山城ベスト50を歩く』の近刊情報が
入っていたにもかかわらず、本日(25日)現在も、
まだ「一時的に在庫切れ」表示です。
それなのに、すでに星4つのカスタマーレビューが書かれていました。
レビューを書かれた城郭マニアさんからは「是非お勧めしたい」と
お褒めの言葉も書かれており、感謝感激です。
そこで、最後に書かれていた「どうしてアマゾン以外の
ネットで早く買えるのか。発売日前に本が出回っているのか?」
という疑問にお答えすることにします。
 

伊賀上野城上代家老の福井先生

 
まず発売日の件について、当初冒頭に述べた講演会の日を
発行日に設定しようと編者と早くに決めました。
通常は校正のやりとりで遅れるのが常なのですが、
三重部隊は伊賀上野城上代家老の指揮の下、
非常にスムーズに仕事が進み、8月末に仕上がりました。  
  

一般に我々の弱小版元では、発行日を過ぎても
本が仕上がっていないのがよくあることなのですが、
流通の面からすると、通常は本を取次さん(本の卸屋さん)に送って
書店に並ぶのはだいだい1週間後です。
そして配本については、取次さんを通じて、
または常に取引のある書店さんにFAX注文チラシを送り、
その注文により本を送ることができるのです。
8月末に書店注文により本を出荷したので、
書店の店頭には9月8日頃には並びました。
  

そこでアマゾンです。
実は近刊の書誌データは版元ドット・コムに登録すれば、
サンライズのHPに登録されるようなシステムになっていて、
それは同時にアマゾンにも反映されるのです。
ですから城郭マニアさんもアマゾンでいち早くチェックしていただいたのだと思います。 
 

ところが弱小版元の弱みというか、本が出来たにもかかわらず、
アマゾンで購入できるのはたいてい1ヶ月過ぎたくらいからなのです。
たとえば『湖北の観音』は9月7日発行日で
当日ギリギリに出来上がりました。
発売日については、1週間後ということで9月14日と設定しておきました。
でも、アマゾンでは、まだ一時的に在庫切れです。
しかも中古品出品として定価より高い価格で販売されています。

このアマゾンの不思議な現象については岩田書院さんも書いておられますので、
ご興味のある方はお読みください。 

さて城郭マニアさん始め、読者のみなさんへのお願いです。
欲しい本があれば、最寄りの書店さんへ注文してください。
書店さんによっては、配達してくれるところもあるかと思います
。書店さんはお客さまの注文品が在庫切れかどうかを
版元に確認して来られることも多く、ネットよりも親切です。  
  

でもネットのほうが便利だという方はサンライズのHPをご覧いただければ、
サンライズはもちろんのこと、他所8ヶ所から選べるようになっています。
内緒ですが、一番お得なのは版元ドット・コムです。
なぜなら送料は全て無料です。  
  
ネットも嫌い、でも早く欲しいという方は
直接サンライズに電話、FAXでご注文ください。
即日、または翌日発送をしております。
但し、2000円以下の本は送料300円を頂戴いたします。

2012年 9月 22日

豊郷小学校、残ってよかった。

サンライズの伝説のひとつに2週間足らずで編集・制作をしたという本があります。 
それは『豊郷小学校は今』。 

9年前の2003年、校舎をつぶすという町長の行動を阻止するためにと、
持ち込まれた原稿を、時系列に編集、写真の挿入、年表作成など、
それこそ夜を徹して、できたところからに、版下作成に回しました。
書店チラシは手書きで作ったという、
それまでの歴史・民俗の本とは違う一冊でもありました。 
 

そして、今年5月には旧豊郷小学校の歴史を纏めた
『あったかいね永遠の学び舎』を発刊しました。 
ともすれば壊されていたかも知れない建物が、
保存運動をつれた方々の成果として今回の文化財指定に繋がったのです。 
小さな版元ですが、多少なりともそのお手伝いをさせていただいたことに
喜びを感じています。 
 

2012年 8月 26日

体操服!いってらっしゃい、おかえりなさいプロジェクト

本日、守山市にお住まいの今関信子先生の出版パーティがありました。
ご案内状にはタイトルのプロジェクトを応援する集いということで、
今ひとつ認識がなかったのですが、出席してびっくり!! 
とても素晴らしい会でした。
タイトルのプロジェクトはこちらに紹介していますが、
ポリエステルの体操服をリサイクルするシステムに
取り組んでいた岡部達平さんと出会った今関先生は、
彼の行動にピーンと来て、その取り組みを応援し、
『永遠に捨てない服が着たい』という本を書かれたのでした。

会場には、門川京都市長を始め、京都市内の小中学校の先生や
繊維メーカー、体操服製造メーカーの方々も出席されていました。
滋賀県も守山市が取り組まれるとのことで、
宮本市長が出席されていましたが、
ぜひとも滋賀県全体に広がればと願っています。 
  
今関先生は今年古稀をお迎えになるとのことですが、
あの小さな身体からみなぎるパワフルな行動とお話に、
会場のみんなもエネルギーを充填していただきました。

2012年 7月 6日

『雑口罵乱5』発売間近

確か6月21日だったか、滋賀県立大学の学生が来社した。
環境建築デザイン学科の有志で作っている『雑口罵乱』の広告のお願いだった。
応対した社長はバックナンバーを見て、「これなら図書コードを取って、
販売すれば…」という話をしたらしい。
 学生たちが帰った後、私はその本を見て、なんとまあ良く
作りこんだ本だと感心。田んぼのまんなかにある、よくいえば
環境に恵まれているキャンパスで過ごす学生たちが、
刺激を求めて、第一線で活躍している建築家や研究者を大学に招く。
そして大学では普通の講演会だけではなく、ゲストと膝を突き合わせて
まさに「ざっくばらん」にお酒を飲みつつ談話し、その内容をテープに起こして、
1年に一冊の本にしているのである。
概して建築デザイン学科は紙面レイアウトにこだわるが、
版面も整っており、扉の扱いもいい。そして脚注もしっかり調べて書かれている。
講演会後の学生によるレポートもいい。
巻末には卒業制作優秀作品やコンペ受賞作品も掲載されている。 
  

それにしてもこれまでのゲストがすごい!!
建築には素人の私でも著名な何人かは知っているのだから……。
手元にある№4では坂口恭平氏の「都市狩猟採集民のくらし」に
とても興味を覚えた。 
  
 

早速、書店流通の話を№6の編集長櫻井藍さんに伝えたところ、
実は№6はこれからで、№5が下版間近だというではないか。
では、№5から図書コードをつけようということになり、
表紙と奥付をPDFで送ってもらい、書籍チラシの作成を依頼。
書肆登録データは6月28日に届いたのを即アップしたところ、
7月2日にはアマゾンでの予約も開始。
書籍チラシは7月3日に学生がピックアップした大学生協へ送り、
4日には当社で登録している、大手書店約40店に流したところ、
本日現在15店から注文あり。
棚差しの店は数店で、2桁の注文が6店から来た。 

これはもう平積みですよ!!
  

あっ、バックナンバーは図書コードがないから、
直接注文できるよう告知を作れと云っておいたこと、
又吉重太さんに伝わっているのかしら?

おばさんは、何よりもこれで累積赤字が解消することを
願っています。2万円の広告を出すよりも、
読みたい人に手にとってもらえ、そして買ってもらえること。
それが本の使命ですから。 
 
 

最後に発行元のDANWASHITSUはこちらで見られます。

1 / 101234510...最後 »

最近の記事

カテゴリー

ページの上部へ