2011年 7月 01日

86歳の手習い パソコン事始め

我が母「敏子さん」の日常生活で重要な位置を占めるのが、短歌の題材探しと歌づくり。

脳出血に再三見舞われ、糖尿病とは仲良しがゆえに、手足がかなり不自由ではある。それでも、持ち前の明るさと旺盛な好奇心は、日々変化を求め、なかなか活動的である。

文字を書くのがかなり大変なので、短歌づくりには、もっぱらワープロを使用していた。
ところがワープロの生産は終焉し、印字用リボンの入手も困難となっている。最初に使い始めた機種は、数年前に壊れ、その後は私のお下がりを使用していた。ところが、この機種もどうにも怪しくなってきている。機械と母の寿命はまさしく競争状態だった。

が、ついにワープロがさきにダウン。
だましだましなら使えそうなのではあるが、彼女はどうも我慢の限界のようだった。

数週間前「少々高くてもいいから、私が使えるパソコンがほしい」といい出した。
はたしてそんなのあるかなと思案していたのだが、ものは試しとばかりに、自宅で使っているパソコンの前に座らせた。なんとか指が動くではないか、
ワープロとは入力方法が異なるが、ゆっくりながら大丈夫だ。入力さえできれば問題はほぼ解消。
とはいえ、なんせ、不自由な手なので、かなり苦戦してはいた。最初は、2日がかりでようやく10首の投稿原稿が完成。

消え入りそうな声で懇願した時とはうって変わって、「できた、できた」とおお喜び、
若いころに英文タイプをこなし、昭和30年後半には、英文タイピストとして得意先に出向していただけのことはある。

いまでは、ワープロを追いやり、敏子さんの仕事場にはパソコンが鎮座している。

3件のコメント


  1.  先日、『彦根の歴史散歩』を購入して86歳になる母にプレゼントしたところ、「サンライズは女学校の同級生がやっている会社で、今でも頑張ってはるなあ」と携帯メールが届きました。
     それでサンライズ出版をインターネットで検索して、このブログを見つけました。母は久保田美知子(旧制若林美知子)、彦根池州町の女学校から津田塾に行きました。
     お母様は再三の脳出血にもめげず、前向きでパソコンを始められた由、その頑張りは大したものですね。私の母は元気ですが、小さな脳血栓があるらしく忘れがひどくなっています。それでも昔の記憶は鮮明でお母様のことも良く覚えているし、最近は同窓会がなくなって寂しいと言ってます。
    お母様の短歌のように私の母も何か楽しみがあるといいのにと思います。
     お母様にどうぞよろしくお伝えください。

    コメント by 松島裕美子 — 2011年9月7日 @ 9:25 PM


  2. 昨日東京のISUC事務局から電話があり、10月20日に大津プリンスホテルを会場に行われるコンピューターのIBMユーザーの全国規模のセミナーで一つのセッションを担当してほしいとのこと。曰く、開催地滋賀の文化教養の一環でヴォーリズについてその生涯と業績を紹介してほしい…と。やや、場違いなような気がしながら、話を聞いていると、もうお一人「三方よし」の岩根さんという方が…と言われたので、ピンときました。きっとサンライズの岩根様のことだろうと。ずいぶん前ですが豊郷小学校の問題が世間の話題になった時、そちらから出版された本のことで一回だけお電話で言葉を交わした記憶がよみがえったのでした。どうやら私の前の時間に岩根様がご担当になるようなニュアンスでした。本当に奇遇ですね。今豊郷小学校は若者の「聖地巡礼??」の拠点になっているとか。喜んでいいのやら悪いのやら。
    それにしても「ヴォーリズ」をキーワードにして色々な方が活動したり、交流したりしていて、あの方の存在は本当に不思議だと感じています。
    今度会場でお会いできるkとおを楽しみにしております。

    コメント by 芹野与幸(せりのともゆき) — 2011年9月8日 @ 11:32 AM


  3. 松島さま
    お便りありがとうございます。母たちの学校がどうやら合併閉校となりそうな状況ですが、同窓生はずいぶんお元気な方が多く、地元の皆さんもとても素敵なかたばかり、松島様のお母さんも素敵な方なのでしょう。

    芹野さま、
    お電話でおはなしされたのは、どうも専務のようです。はじめまして、姉の順子です。門前の小僧よろしく、お恥ずかしい限りですが、郷土の先人をご紹介できることを光栄と感じています。併せて滋賀の魅力発信に力をいれてお話をしております。当日のお出会いを楽しみにしております。

    コメント by 木綿屋 — 2011年9月9日 @ 6:39 PM

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