2005年 8月 08日

近江商人の末裔

江戸時代初頭、現在の彦根市と能登川町一帯から北海道に渡った近江の商人が多数いた。

彼らは、両浜商人と呼ばれ、松前藩の特権商人として藩の保護のもと、内地と当時の蝦夷地の経済発展に大きく寄与した。
宝暦8年(1758)には松前に31件、近江商人が特権商人に名を連ねていたが、天明6年(1786)には11件になり次第にその勢力は他国からの商人に委譲することとなっていった。

本日来社された大橋さんは、もっとも勢力を持っていた時代に松前で商いを行った大橋久右衛門(井筒屋)さんの末裔の方らしい。

夏休みを利用して神奈川から調査に来県されたのであった。

運よく、能登川ではなんらかの消息がつかめたらしく、誇らしげに一部始終を話される。
暑い中、歩きとおされたことを証明するかのように陽に焼けた顔がほころんでいた。

『近江商人と北前船』を購入いただき、その際のお問い合わせに、私がわかる範囲のご連絡を送付したことが契機で、大橋さんは、仕事の合間に自らのルーツ探しをはじめられたのであった。

「詳しい情報が大きな手がかりになりました」とお喜びいただき、恐縮したが、お役に立てたことは嬉しい。
退職後は本格的に調査を進めるとのこと、これからのご報告を楽しみに待ちたい。

近江商人の足跡は北海道に多く残り、特権商人の勢力が衰退した後に、積極的に漁場開拓を行った藤野喜兵衛や西川貞二郎がいる。

さらに北方領土探検家の近藤重蔵は、滋賀県高島で晩年を暮らした。
近藤重蔵の波乱の人生は『波濤―近藤重蔵と息子富蔵―』に詳しい

滋賀県と北方領土

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