2012年 12月 07日

藤森照信のコンセプト・そして説得力

本日、滋賀県立大学DANWASHITSUの第47回講演会を
聞きに行きました。
ニュースでも書いていた藤森氏の「建築は自然と仲良くできるのか」
という講演。
とてもユニークで見るのは楽しい・おもしろい建物なんだけど、
もし私が施主ならば絶対に頼まないだろうと思う建物の数々。
しかしながら、私が最初に藤森氏の存在を知った
「路上観察学」のおじさん、樹木に対する興味が強そうなこと、
そして容貌が父ととても似ているということで、
とても気になる存在だったのである。
講演では最初に設計を頼まれた「神長官守矢資料館」の話から
始められたのだが、設計のコンセプトとしていわゆる民家は
作らない、人のマネはしないという2点だったという。

茶室がお好きなようで、確か熊倉功さんとの講演会も最近あったようだが、たぶんそれは利休がいろんなものをそぎ落とした究極の茶室を作ったように、狭い空間を「空」の場所に作るというあらゆる実験を楽しんでおられるように感じた。
話の中で焼き杉使用の北限が滋賀県といわれていたが、ベンガラの北限も滋賀県ではなかろうか? 以前中山道歩きをしている旅人に「柏原から西は、町が赤い」と言われ、赤いというのはベンガラの赤だとわかったのだ。
一番聞きたかったのは、とても普通だと使いにくそうな建物を設計する過程で、施主をどう納得させるかだったが、秋野不矩美術館の展示室を素足にするというのに難色を示した人たちに「日本画は和室があう」といって丸め込めた説得したという。そうか、しっかりしたコンセプトを持ち、それを施主に納得させる巧みな会話術を備えているのが一流の設計士なのだ。
板を割ったり、焼いたり、銅板などいろいろな素材に挑戦されているそうだが、土を吹き付けるのはやめて、できればチベットのポタラ宮のように歌を歌いながら漆喰を固めた壁も使ってほしい。

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