2010年 1月 26日
糸の世紀・織りの時代
長浜では新春恒例の盆梅展が始まり、今年のみどころの名木が紹介されているが、盆梅展とともに是非ともお立ち寄りいただきたいのが、長浜城歴史博物館である。
博物館では、今月23日から「糸の世紀・織の時代ー湖北長浜をめぐる糸の文化史―」と題した特別企画展が始まった。長浜を中心に湖北一帯の織物文化の背景は歴史的な動きとともに織物文化を支えてきた人たちの足跡などが紹介されている。
特別企画展と同名の図録も滑り込みセーフ状態でようやく完成。『糸の世紀・織りの時代』図録の表紙には、豪華な衣装をアレンジした華やかさが漂う。表紙は、長浜城博物館図録としては異例とも言える華やかではあるが、本書には先人たちの織物に対する力強い執念のような熱気が綴られている。京の都に隣接していることは一見、販路に恵まれているかのようであるが、時代の趨勢に翻弄されてきた業界の人々の苦悩をも感じられる。本書では、浜縮緬、浜蚊帳、浜ビロードという湖北の産業が中心ではあるが、近江商人の代表的な商い商品であった「近江上布」など、湖国の織物文化にまで波及しており、本企画展を担当された橋本さんの熱意が伝わる図録に仕上がった。
図録中で強い関心を覚えたのが、蚊帳についての記述であった。ときおり、各地で近江商人の商いについておはなしさせていただくことがあるが、その時、必ず触れる「蚊帳」の生産は、長い時代、その生産の中心は近江八幡であったと思っていたのだが、以外にも八幡では早い時代に終焉し、長浜一帯では現在も生産が続いていることだった。1月30日には、本書の巻頭を著した森下あおい先生の講演会が開催される。この点についても触れられるかもしれない、今から大いに期待している。
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