2006年 9月 01日

秋口保波

一向に機運が高まってこない彦根城築城400年祭のイベントではあるが、関心の高い市民も多く、先月末から10月1日まで、彦根市が誇る洋画家「秋口保波」さんの彦根城に集中した絵画展が開催された。

今回、展示された作品には、はじめて見る作品も多く、30年以上前の彦根の風景を懐かしみながら楽しんだ。父や中島正治(崖山)先生と同様に彦根城の遠望が多い。
どうにのもこのお城は天守閣が主役ではなく、彦根山と一体に周辺の景色や季節のうつろい、そして周辺の櫓群などの集合体としての魅力が大きいようだ。
小学生の頃、恐れ多くもこのえらい先生に絵の指導を受けていた。生来の才能のなさや絵に対する興味が少なかった性で、折角のご指導が浮かばれていないが、アトリエの雰囲気は今も鮮明に記憶に残る。

会場に掛かっていた、金属製の火鉢を前に和服を着込んで絵筆を走らす秋口先生の写真がことのほか懐かしく感じたものだ。先生お気に入りの明るい朱色が、どの作品にもスパイスのような雰囲気が感じられ、帰宅するや我が家のかかる、ケシの絵と新たな感激で対面したのであった。

秋口保波(あきぐちほなみ)
 明治30年彦根市芹川町生。昭和51年享年没80歳。大阪信濃橋洋画研修所に入り、小出楢重、黒田重太郎らに指導を受け、野口謙蔵らとも親交。春陽会審査員。滋賀県を代表する洋画家の一人。

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