2008年 7月 21日

男鬼の民家

鳥居本の奥にある男鬼(おうり)は、彦根市と多賀町の境目で、河内の風穴からもいける山間にある集落です。鳥居本の駅から、林道を車で約20分くら い行った先にあり、集落の人は昭和40年代頃から山を下りてしまったのですが、数年前までは、夏場に「彦根市少年自然の家」として民家を開放していまし た。
20年前、私がオートバイの免許を取った頃は、男鬼に出かけると、数軒の家で生活をしている方に出会いました。畑があるからと、軽トラックで通っている大正から昭和の初めに生まれたおじさんやおばさんでした。

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あの山を越えて、坂をまっすぐ下ると男鬼の集落にたどりつく。今日は林道の草刈りが行われていたが、たぶんこの男鬼やさらに奥の武奈集落に土地を持っている人たちの総出だったのだろう。

「自然の家」の活用が終ったころ、滋賀県立大学で「男鬼楽座」というプロジェクトが始まりました。今年で5年目になるそうです。最初は民家調査をしていた のを知っているのですが、、なんとまあ、しっかり事業を継続しているのですね。昨年に引き続き、かやぶき屋根の葺き替えをしているとの新聞記事を見て、 ちょっと出かけてみました。

男鬼へ行くのは数年ぶり。旧の林道は道のまんなかに杉の落葉が積もっているわ、落石が散らばっているわで、荒れていて、人の行き来がずいぶん減っていることを実感しました。
20年前にはバイクで麓の自宅と山を行き来していたおじさん達もすでに80歳。
毎日のように山行きができない状況です。人が出入りしないと山は荒れるのです。
知らない人は「自然はいいね」というけれど、本当は一見自然に見える山は、草刈りや枝打ち、道普請など人の手が入っているのです。

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今年は家の裏手の屋根を葺き替え中。実は全部吹き替えるだけのカヤが確保できなかったそうで、秋にはカヤ刈りをするそう。

学生を率いるのは、民家の調査、古民家再生と言えばお馴染みの濱崎先生。海外遠征も多いのに本当にパワフルです。今回のカヤは、他の集落の方から分 けてもらったそうですが、カヤを貸してもらったら、返すのが「結い」ということを承知の先生は、新しいカヤ場作りをしていると聞きました。机上の空論では なくて、まさに現場主義の先生です。
男鬼では最近シカの被害が多く、家の横に植えてある山椒の木の皮がかじられて、枯れていくそうです。気になったのは学生たちが休憩していた近くの茗荷の葉っぱもかじられていたみたいけど、あれもシカ被害なのでしょうか?
確か、サルは茗荷は嫌いだったと聞いているのですが、以外とシカは刺激が好きなのかもしれませんね。

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私はこの暑い日にお手伝いは勘弁ということで(実は仕事をためていることもあり)、スイカ(糊男さんからのもらいもの)を差し入れして、帰りました。

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