2005年 12月 04日

甲賀映画祭4日目

 11月26日(土)第1回甲賀映画祭4日目。碧水ホール上映作品。
10:00~「トントンギコギコ図工の時間」。
 もう1回見て、前回キシダ式の訂正および追加。図工の先生の指先に尊敬の眼差しを向けていた生徒(まったく脇役の子)は女子ではなく男子でした(髪が長かったので見間違えました)。そして、先生が「難しいことに…」と言う部分では、「めんどくさい…というか難しい…」と言い直しがおこなわれておりました(そう、後者の方が先生のキャラクターをよく示しています)。
 上映後には監督の野中真理子さんによるゲストトーク。
 13:10~「もし、あなたなら~6つの視線」。
 上映後、第2話「その男、事情あり」のチョン・ジェウン監督、第3話「大陸横断」のヨ・ギュンドン監督らを招いて座談会。テーマは「韓国映画の現在」。基本のメロドラマかラブコメを適度な時事問題で味付けした作品ばかりが求められる中で、社会批判・社会風刺を目指すヨ監督や、その一回り下の世代で作品を「もっと個人的なもの」と位置づけるチョン監督らの立場はかなり苦しいとのこと。日本よりもミニシアター系の映画館が少ない韓国にあっては。
 チョン監督の作品中に盛り込まれる文字(「その男、…」の舞台となるマンションの壁面に書かれているさまざまな標語や、昨年の日本公開作品「子猫をお願い」の画面上に現れる、携帯の入力文字や身体障害者の男性が読みあげる詩を主人公がタイプライターで打つ文字)は、その文字の意味よりもイメージ(画)の面白さを重視しているとのこと。続けて「日本語の仮名はかわいい」と発言。
 チョン監督の作風って(といっても2つしか見てないわけだが)、漫画でいえばくらもちふさこだな。平凡な生活の細部をきっちり描く一方で、画面上の遊び(というか実験)も追求するところが。作家生活を長く続けて来られたのは「奇跡」と自ら雑誌のインタビューで的確に診断していたくらもちふさこ。同じくらい自己評価も的確そうなチョン監督にも「奇跡」は起こるだろうと楽観視したいのだが、最新作「台風太陽」は日本での配給会社が決まらないままだそうだ。

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