2008年 4月 21日

小鮎の佃煮

和歌山出身で現在は神戸に住んでいる友人から、イカナゴのクギ煮をもらったことがある。「近所の人に作り方を教えてもらってから、毎年炊いている」と聞いた。
神戸がイカナゴならば、さしずめ滋賀県は小鮎というわけだが、親戚に鮎炊き名人のおばさんがいて、いつもいただくので、作ろうとしなかった。いや、実を言えば数年前に一度チャレンジしたが、うまく炊けずに、半ばあきらめていたというのが正しい。

ところが昨日、昼前に出かけたスーパーの魚売場で小鮎が出ており、小鮎をトレーに入れていたおじさんに思い切って「それで何グラムですか?」と思わず聞いてしまった。
「あー、1キロあるねぇ」
「……、私炊くのが下手やから、そんなに多くは要らないし、600ほどもらえますか」

鮎がとてもきれいだったし、取り立てて用事のなかった休日だったので、思い切って買ってしまった。

幸いなことに、我が家には「小鮎の佃煮」を記した料理本、『つくってみよう滋賀の味』とか『改定豊かな食生活のための料理レシピ集』などというのがあるため、分量はわかっている。

前回の失敗はたぶん火加減と時間だったような気がしたため、今回は最初はガスで炊いて、しばらくしたら炭火にすることを試みた。最初、醤油と砂糖と酒を入れたものを沸騰させたら、パラパラと小鮎を少しずつ入れていくのがコツだった。泡だってきたところに一匹、二匹入れてしばらく待ち、また鍋の違うところで泡立ってきたら、今度はそこに一匹と、少しずつ入れていくのが第一のポイントやったのね。そして生臭さをとるために、山椒の葉と、昨年塩漬けにしていた山椒の実を塩出ししたのも入れてみた。

あとは落としぶたをして、炭火に変えて、とにかくグツグツと気長に約1時間弱。煮汁が底にほんの少しになったので、火からあげて、中鉢にすべらすように入れてみた。

調味料は他にみりんを少し入れただけだったが、魚に照りも出たし、生臭くもなかった。お蔭さまで家族にも好評。

あー、これでやっと一人前の滋賀県人になれたような気がした。

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