2007年 10月 27日

初体験「番方講」

 ご町内会からの要請を受けて、はじめて「番方講(ばんがたこう)」なるものに参加。車で迎えにきてくださったベテランのIさんは、番方講用の輪袈裟を準備してくださり、本日の行事内容を簡単にご説明いただいた。
 浄土真宗の門徒としての最大の行事が報恩講であり、宗祖親鸞聖人の命日である11月28日の前後に、その遺徳を偲ぶ法会が報恩講であるが、当地ではとくに番方講という組織があり、当番寺院の回り持ちで開催され、周辺から数十人が参加する。講は、各地にさまざまあるらしいのだが、この番方講は本山でも一目置かれている存在であるという。
 なんでも弾圧から逃れた蓮如がもち出し、大津三井寺の近松坊に移した親鸞の遺影を7年間にわたってお守りしたことが番方講の始めであるらしく、この講が今に続く。
 現在、滋賀県内の蒲生・神崎・愛知・犬上・坂田五郡の3500戸で構成され、現在は形式は大きく変わってきているが、戦国時代からの歴史ある行事なのであった。
 郷土料理の中には「お講汁」と呼ばれる報恩講に否んだメニューがあるが、この日のための特別メニューだったのであろう。本日も、簡素になったとはいえ、味噌汁や、手作りらしい漬物が用意されていた。
 ほとんど知識なく参加したが、連綿と続く近江の歴史の奥深いことを再認識するとともに、凛とした雰囲気の本堂で、お経を唱え、法話を拝聴し、そして心づくりのオトギおいただき、身も心もすがすがしい気分になった。
 それにしても、戸数20数戸という小さな集落で寺院の維持も大変だろうと人事ながら心配する。番方講にはご本尊があり、このご本尊をお迎えしたときの報恩講はそれは大変だと、帰りがけにIさんから教えていただいた。

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