2008年 5月 05日

伊庭の坂下し

連休前に新聞で5月4日に能登川駅集合のハイキング記事を見つけ、JR能登川駅に着いたところ、すごい人、人、人。
JRのふれあいハイキングの冊子に掲載されていて、当日受付もOKだったので、総勢220人とのこと。健康と気軽に行けてお金もかからないハイキングブーム。参加者には子供もいたが、大半は私と同じ中高年。友達や夫婦連れもあるけど、結構独りで参加する人も多い。コースは飛鳥・白鳳時代の大きな礎石のある法堂寺遺跡から前方後方墳の神郷遺跡、明治時代に伊勢神宮の本殿を譲り受けたという乎加神社から、五個荘の近江商人屋敷、繖山の地獄越えを経て、不動の滝、安楽寺、繖三峰神社の「伊庭の坂下し祭」見学。

一番見たかったのが、「伊庭の坂下し祭」。山頂から約500メートルの急峻な坂を500キロもある神輿三基を下ろすという危険を伴うお祭りで、近江の奇祭として知られている。この祭で下ろされる神輿は大浜神社に安置されているのだが、実はこの大浜神社の神主さんは、30年近く前に自費出版のお仕事をさせていただいた方だ。

私たちがここへ到着したのは、ちょうど最終の麓の鳥居前近くまで神輿が下りてきたところで、最後の坂を下りるのを皆が待ち受けていたところだった。 集落の入口には御稚児さんがゴムのタイヤをつけた近代的な?輿に乗せられ、鳥居まで行くところだった。以前はもちろん古式ゆかしい男たちが担ぐ輿だったら しいが、なんせ若衆は3基の神輿を山頂から引きずり下ろすという命がけの行事に参加しなければならないから、御稚児さんの輿の担ぎ手が足りないのだろう と、納得。

08050401.JPG

神輿が降りてくるのを待っていると、一見暴走族風のお兄さんの集団???
いえ、違う違う。
神輿を下ろすのはだいたい高校生以上の若衆で、これを卒業すると、声をかけたり、
神輿が下りるのを手伝ったりする役目の兄さん達のようだ。

08050402.JPG

これが、鳥居前の最終の坂道を通過中の神輿。もっと上の方は大きな岩がゴロゴロしているらしく、
警備役のおじさんは「今日は怪我人が3人や」と話してくれた。

ところで、2基目の神輿を見ようと少し坂を登って見物していたら、例のお手伝い役の若衆に見覚えのある人が……。
クレフィール湖東に勤めているN君ではないか。
「えー、まさか?」

神輿が無事、麓まで下ろされたので、N君に声をかけた。
「人手が足りんからねぇ。まだ手伝ってるんや」
彼は37歳。
この神輿は前日に山の上まで上げるらしく、それも未だに坂道を人手だそう。
下ろすよりも引き上げるほうが大変だと話されていたが、納得。
こうして郷土の伝統的なお祭りを担っている知り合いが、また一人増えた。

このお祭りは正午から行われる山頂の神事が見ものとも聞いた。
また、もう一度見に行くことにしよう。

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