2006年 11月 16日

浅見素石さんを偲んで

本年5月にお亡くなりになった浅見素石さんを偲ぶ会が催された。
「葬式は不用」「戒名もいらない」「納骨をしないで散骨して欲しい」ただし「残した作品の展覧会だけは開催してもらいたい」というご遺志によって、「びわこ疏水とさざなみの会」の皆さんのご尽力で15日から23日まで、大津市歴史博物館で「浅見素石遺作展」が開催されている。
昨日夕刻にはNHKですでに遺作展の様子が伝わり、今朝の朝刊にも報道されていた。

博学、博識な方で、物欲は少なく、探求心が旺盛、そしてこよなくお酒を楽しまれた浅見先生にふさわしく和やかな「偲ぶ会」であった。昨年には、びわ疏水とさざなみの会の設立20周年を記念して発行された『よもやまばなし琵琶湖疏水』が最後の著作となった。

すでに当時腰痛に悩まされおられたが、とにかく話を始めるととめどなくお続けになる方だけに、出版までの間の期間、先生のお話を伺うことができる多くの時間をいただいたことを心から嬉しく感謝している次第である。

以前に『近江の玩具』でも大変お世話になったが、10数年前に取材に伺ったことが始めての御出会いである。大津市が北緯35度線上にあることから35度線上の都市を訪問しようという企画がもとあがっていた当時である。そして淡海文庫が誕生したときでもあった。「淡海文庫」生みの親のお一人である池内順一郎さんがこの時の取材に同行されていた。つい先日のように思える野田が池内先生も彼岸の人、ちちのようなやさしさと厳しさでご教示いただいた方を失ったことの寂しさと同時に、過ぎ去った時間を懐かし区感じたものである。

言葉に表しようのない画然かつ稜々とした浅見先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

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